第33話 結果

「ベレスはどうしてここに?」




 目が覚めた時、すでにここにベレスがいた。




 この前、わかれる前に試験が終わったら会おうとなったが…正確な時間が分からず現状が分からない。




「期日の日に待っていたんですけど、待ってもパクスさんが来なく王城の方へいき、事情を話したところ、ここに案内されました」




「待ってたって…俺はいったいどれくらい寝ていたんだ!?」




 ベレスの話しが本当なら、期日の日が過ぎている…つまりパクスは1日は寝ていたことになる。




「いや、それよりも結果は!?俺の試験の結果は!?」




 パクスの記憶では、試験の途中に倒れてしまいそのまま眠り続けた。試験の合否が唐突に頭の中を駆け巡った。




 パクスの試験の功績がどうなのか…合格するに達しているのか、途中でリタイアしたから不合格なのか。パクスの心中は…不合格の可能性があることで不安でいっぱいだった。




「今ァ、審議中だから、騒ぐなァ」




 すると、部屋の扉が開き、アクセントに特徴がある、長髪の赤毛、右目に眼帯をした男…フラマが現れた。




「あ、あの、先ほどはありがとうございました」




「おおォ、気にするな」




 フラマが現れたことに、ベレスがフラマに対して、頭を下げ感謝を述べた。




「事情を話したところこの方がここに案内してくれたんです」




「一人でうろうろしていたからなァ。ほォっておくわけにはいかねェ」




 どうやら、ベレスが王城の方にきて、フラマと出会いここに案内してくれたらしい。




「えっと、それで僕の試験の結果は…」




「さっきもいったろ。審議中だ」




「審議中って、まだ決まっていないんですか!?」




「他の奴らは合否がもうでているがァ…お前だけは、まだ決まっていない」




「なんで…?」




 他の受験者の人たちの合否は決まっているがパクスだけがまだ決まっていない…考え得ることは…




「お前は、俺と互角の闘いをした」




 パクスはパワーアップの"ヒーロータイム"になり、そこからは互角の闘いが繰り広げられた。




 まぁ、途中で倒れちゃったんだけどね。




「え?でもそれだけで審議になるのか…?」




「まぁ、分からなくても無理はねェか…」




 そこからフラマから聞いた話を整理すると、称号者である人と互角の闘いができるのはすごいらしい。




 階級でいうと少なくても聖級以上なのだとか…




 しかも、フラマはものすごく強い強者であり、そんな人と互角に闘えることがすごいのだとか…




 そこまでいくと、称号者になれるのかもしれないとか…




 まぁ、要はそんな感じだ。




 ああ、ちなみに僕は1日寝てしまっていたらしい。




「ー!?ってことは僕、称号者になれるってこと!?」




「だから、それを今決めてるんだ!」




 称号者になれるのかも!?と期待し、パクスは興奮気味に声のトーンも高くなってしまった。




「今までで、初めてだぞ。こんなこと」




「入団試験からすぐに称号者になることが…?」




「まぁ、俺がお前のことを薦めたんだけどな」




「え!?」




 (なんで…?初耳だぞ)




「お前のその【力】野放しにしておくわけにはいかねェからなァ」




 パクスにはあまり理解出来ないような事をフラマは言った。




「とにかく、その…審議が終わるまで暇ってことか…」




「ああァ、それまでゆっくりしておけ」




 ということで、審議が終わるまで暇になった。




 そこからは、試験の内容やパクスが気絶してからの事について語った。




 終始ベレスはあまり話しに混ざらず、驚いた表情をしていた。




 ああ、それと例え、称号者になれなくても騎士団には入団できるようだ。




 なんやかんやあったが、なんとかなったな…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る