第30話 模擬戦 6 パクスvsフラマ
奥の手である"ヒーロータイム"となったパクスは力を振り絞り、フラマへと突進した。
「ちぇい!」
開始と同時に行動した時と同じく、突進からの渾身の一撃をパクスはフラマへと放った。
「ーへっ!シャァアーこい!」
それに対しフラマは炎を操り身に纏っていた。
(ーッ!?やべっ!)
パクスの拳が当たるのかと思いきや、フラマはすんでのところでかわしていた。
パクスはまるでイノシシのように猪突猛進したせいか途中でブレーキをかけても止まることなく、そのまま壁に激突した。
驚くべきことに、ぶつかった壁に亀裂が生じ、ガラガラと崩れる所ができていた。
「おいおい…いきなりこれは…おい」
フラマは壁の方を凝視し、周りの人達も口を開け信じられない光景を見ているような顔をしていた。
「ーくそっ!やっぱ制御しなきゃ駄目か…失敗」
パクスが激突した壁から出てきた。
「ハハッ、今のは危なかったぞ」
「ふ~…ハッ!」
フラマが話初めてもパクスは、力を振り絞り、またもやフラマに向かって突進した。
「おっしゃ!」
パクスの攻撃にフラマは避けることなく立ち向かった。
「「ーー」」
そこからは二人の激しい攻防が繰り広げられた。
………
「おっら!」
フラマによる左フック…
パクスはその攻撃をかがんでかわし、懐にアッパーを叩き込んだ。
「くおっ!」
だが、フラマはもう片方の腕でガードした。
「うっ…あっつ!」
フラマに防がれたパクス手が焼けていた。
咄嗟にパクスはフラマと距離を取った。
パクスは落ち着き、焼けた部分を直した。
見ると、フラマの全身が炎に包まれ、高温の物体のように白くなっている。
「やっぱ…熱くならねェと闘いは面白くねェよなァ」
(…ちょっと、やべぇな)
物体が白くなる温度は約6500度、普通は太刀打ちできないだろう。
だが、ここは異世界。魔法がある。フラマ自身が炎を発し高温状態となっている。
(長期戦は無理か…)
パクスは闘いが長引けば危険だと判断し、身体中に残りの【力】を流し、特に両手に込めた。
「はっ!」
【力】を凝縮させることで触れた部分が焼けたとしても瞬時に回復させることができる。
「「………」」
そこから、二人による激しい攻防が繰り広げられた。
パクスの【力】による攻撃、剣を使った攻撃、フラマの炎による攻撃、特に武器が見当たらず、拳による攻撃…
どちらも、攻めるのをやめることなく、闘い続けている。
このまま二人の闘いが続くのではないかと思われた、その時…
「ーッ!?かはっ!」
パクスが突如、膝をついた。
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