意思2

この石はどこへ辿り着くのだろう。石は、生まれ落ちてから数千、数万回風に狙われ、何か大きくて硬いものの上をコツンカツンと跳ね転がり、そして時々暖かい光を感じた。その度に意思を思い出し、またすぐに闇に包まれる。思い出した意思は闇の中では希望の役割も果たした。希望は、時々石を照らす光とは少し違う光だった、石の本能よりい出て楕円の体を隅から隅まで巡った光はその体を少しはみ出して、石を輝かせた。そのほんのわずかな発光は、闇を一瞬照らした。その現象は、意思に信念を気づかせ、石を確乎不抜にした。

それから、石はもう何度めかわからないがまた瓦屋根の上に落ちた。その屋根の瓦は1枚を抜きにして、規則正しく並んでいた。位置エネルギーにより蓄えられた力を、凹みを駆使して去なすことで、落ち着けた。石が感覚を環境に向けたその時、気配を感じた。その気配は、心安いものに感じられたが、同時に作為的にその気配の主によって醸し出されているもののようにも感じた、まるで石を長い間じっと待っていたかのように

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