第7話 夏のカレーはこいかうすいか

夏の暑さも幾分収まってきて、ようやくエアコンなしでも生きていけるようになりました。

そして、暑さが収まると同時に突っ込まれるのがキャンプです。

皆が待ち遠しにしていたキャンプ。バスに揺られて山の麓のキャンプ場へ行くのですが、準備に時間がかかることこの上なく。

先生達はてんてこ舞い、生徒は浮かれて授業も身に入らず。

挙げ句、「あいつはキャンプで告白するらしい」なんつう色恋の噂まで流れ始め。

そして、例に倣って前日にバタバタと準備を済ませた私は、バスに乗り込みました。決められた席に座るのですが、そんなもの覚えているはずもなく。

変に気取った服の人がいるのも面白いのです。

そしてまたお決まりに、バスがこれでもかと言うほどに渋滞に引っかかります。お陰様で予定より一時間も遅れて到着したのです。

「空気がおいしーっ!」

一号線沿いの町に住む私達にとっては、信じられないほど澄んだ空気。都会の弊害というやつを感じます。

ところで私達の昼ご飯を制作する時間となりました。勿論カレーです。

よりにもよって、私はレシピを紛失しました。班の他のメンバーが持っていたので大事ありませんでしたが。

ぶった切られた肉が配られ、具材を鍋に突っ込んで煮ているときのこと。

「あちぃ~!」

班員が騒ぎ始めました。風向きが運悪く、まな板やら包丁やらをジャブジャブしていた私達の方へと煙を運んできたのです。煙たいやら、臭いやら。

カレーはできました。私の班は特にハプニングなく、おいしいカレーとなりましたが、他班も同じくではなかったそうで。

あるある、米はベチャベチャ、カレーは薄い、と。

後で聞いたのですが、告白は失敗に終わったのだと。

カレーも恋も薄かった、と。

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