第4話 決闘
ん…?? 何だ、あれ?
空から何かが降ってくる。目を凝らしてそれを見た僕は、反射的に体を右に動かす。その反動で僕は倒れこんでしまった。
間一髪で何かをよけたが、頬から血が流れていた。それでも、このぐらいなら問題ないだろう。
そして、僕は自分の前にいる人を見上げた。
薄い紫色の長髪。整った顔立ち。小柄な体格。しかし、圧倒的なオーラを感じ取ることができた。体が「逃げろ」と何度も警告する。
もしかして、彼女が例の「殺人鬼」なのだろうか。見た目だけでは判断できないが、可能性は十分にある。
しかし、僕は呆然と彼女の姿を見ることしかできなかった。
僕は動けず、彼女も何もしてこないという状況が数秒間続いた。そして、その沈黙はある男によって破られた。
一発の銃声が鳴り響いた。音からして遠方からのものだろう。
隣で少女が倒れる音がした。
「なんだよ、大したことねえな」
いつの間にか僕の目の前には屈強な男が立っていた。僕の前で倒れている人を見て、口元が緩んでいるように見えた。
しかし、次の瞬間、その口元から赤い液体が流れ出した。かろうじて首を動かして男の体を見ると、後ろからあの少女が何かを男の背中に刺していた。
男は動こうとしたが、体が麻痺しているのか、倒れこんでしまった。そして、ついに動けなくなってしまった。
さてと、準備は終わった。あいつのおかげで十分に時間を稼ぐことができたから。
そして、この瞬間を待っていた。
本来の姿になり、彼女に向かって走り出す。そして、彼女の腕に手を伸ばす。
彼女は驚いて距離を取ろうとするが、時既に遅しで、私の指は彼女の腕に触れた。そして、能力を発動する。
彼女の体は私の左手にある小さな箱に吸い込まれていった。
ーーー
後日、ニュース番組で殺人事件が急に無くなったというニュースが流れていた。そして、犯人がいると思われた僕たちの学校に許可なく突入してたということも報道されていた。僕はコーヒーを飲みながらそれらのニュースを見ていた。しかし、それよりも、学校も翌日から急に再開されるらしく、なんだかんだ言って二ヶ月ぐらいずっと休みだったので、ちょっと楽しみである。
その日もゲームやアニメを見て一日を過ごした。最近のゲームはかなり深く作り込まれていて、何時間やっても飽きないようになっている。それ故に、ゲーム中毒になってしまうというデメリットもあるのだが。
それでも散歩は欠かさない。昨日は大惨事に巻き込まれたが、散歩はやめられない。やはり人には落ち着く時間が必要である。
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