第2話
二度寝して目が覚めると、夕方だった。
出勤の支度をしてカレー屋に行き、普段は注文できない辛口カツカレー特盛り、ミックスフライ付きを注文する。
昼食兼夕食なので、多すぎるくらいでちょうどいい。満腹になった。
それから、街をぶらついて時間を潰した。年末なのでいつもの倍は活気があって楽しい。
自転車で少し早めにバイト先のショッピングモールに向かった。
『お客様にお知らせいたします。当ショッピングモールは、年末年始の休業に伴い、12月31日午後8時をもちまして本年の営業を終了させていただきます。新年は、1月3日午前10時より通常営業いたします。本年中は当ショッピングモールをご利用いただき、誠にありがとうございました。来年も皆様のお越しを心よりお待ちしております。どうぞ良いお年をお迎えください』
いつもより一時間早く閉店のアナウンスが流れて、最後の客が帰っていった。
店には店長とオレの二人だけになる。店長はレジの現金と売り上げのチェックを始める。
オレの仕事はこれから始まる。なにをやるべきかは、タブレットが逐一指示してくれる。
オレは体を動かすだけでいい。
乱れた商品の服をたたみ直し、サイズ毎に整理していく。完了。
商品の少なくなった棚にはバックヤードから商品を補充する。完了。
年末セールの商品を片付け、初売りセールのものに替える。完了。
そして何日も前から作っていた福袋を棚に並べていく。完了。
同じフロアの他のショップ店員もタブレット片手に同じような作業をしているようだ。
ほとんど作業も終わり、あとは試着室と床の掃除くらいになった。
すると、店長がどうしても早く帰りたいと言い始めた。
オレはしぶい顔をして抗議したけれど、家庭の事情でどうしてももう帰らないといけないと言って帰っていった。
ただし、約束のポケットマネーの2万円はちゃんとくれたので、それ以上の文句は言わなかった。
一人で店舗の清掃を終えると時刻は23時を回り、新年まで一時間を切った。
どのショップも照明を消し、帰り支度をしている。
オレも店の照明を消し、帰り支度をしていると、突如、猛烈な腹痛に襲われた。
脂汗を流しながら、急いでトイレに駆け込み、下着を下ろす。
この腹痛には心当たりがある。辛口カツカレーをドカ食いしたのがまずかった。
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