第29話 美女二人を前にしての俺の理性をほめてやりたい

 外事課の警察官は所轄の警察に連絡入れてレッカーを手配していた。

 車を警察に持ち込んでから調べるそうだ。

 その後はやくざからの嫌がらせもなく、GWの休みを終えた。


 GW中は俺たちも全員に休みを与え、日本初めての連休はみんなには十分に日本を楽しんでもらいたい。

 ほとんどが東京近郊で過ごしていたようだが、そのうち社員旅行も検討しよう。

 本当に当分の間だろうが、乗員の軍人4人もいるから旅行中の逢瀬は慎まないといけないが、温泉などザ日本って感じのところに案内しようって、そういう俺がそんなところを知らないので、テレビでおなじみのところを金には余裕があるので、俺が自腹で招待してもいいかな。


 まあ、そんなこんなで初めてのGW中は幸の友人の岩崎さんといったか、彼女の母親が入院中だったこともあり、昼は幸と二人でお見舞いなどに行っているようだ。

 それに何より彼女たちの引っ越しも済ませてある。


 これに関しては葵さんがすべて仕切っていたのでお俺も詳しくは知らないが、そんな感じで結構忙しくしていたら、あっという間にGWは終わった。

 まあ、夜は夜で葵さんまで加わり4Pやアプリコットも加えて5Pなんかもしていたら昼には動けなくなるのは当たり前か。

 そろそろ考えないといけないかな。

 彼女の母親が退院するのはGWが終わるのと同時、GWの最終日になる。

 それまでに閨についてのルールつくりでもしておこう。


 GWの最終日に俺たちはペントハウスでささやかなパーティーを開いた。

 岩崎家の問題解決と、退院のお祝いに加えて、何より大事な新たなメンバーの歓迎会を兼ねている。

 酒や料理などは全て取引のある業者に頼んだら、全部セッティングしてくれた。

 ほとんど冷食だったが、まあクルーザーの客にも悪くない評価を貰っているものだから、俺の口には十分すぎるくらいだ。

 尤もスーパーの冷食と違いお値段の方もそれなりにするが、今回の分も含めてすべて経費扱いになるとか。

 社長の葵さんの判断だから会社としても問題ない……かな?


 無事にGWも終わり、今後について葵さんと話し合う。

 あ、GW直前にかねてから工事中だったビルの工事も終わり、俺たちの住居はホテルから移っていたし、何よりやたら豪華なフロアに俺たちの会社事務所が出来上がっていた。


 まだ、お披露目は済んでいないが、これも葵さんとアプリコットそれに大使館職員の北海さんが休み中だというのにもかかわらず、業者とのやり取りを済ませて全て終わっていた。


 事務所にはなんと俺の部屋まで出来ており、窓のない部屋だが、二部屋続きでシャワー室まで完備のベッドルームまであるのだ。

 これは何をいわんやといった感じだ。

 社長室の葵さんの部屋は普通の社長室になっているから、俺の扱いは完全に種馬だな。


 まあ、そんな事務所の初日にはクルー全員を集めてお話し合い。


「今まで事務所もなく苦労を掛けていたが、やっと事務所も完成したので、一言社長から挨拶がある」


 一応、ここの社長は葵さんなので俺が音頭を取ってそれなりのことをした。

 落ち着いたら、大使館の職員などを集めてお披露目をしないといけないだろうが、とりあえず内輪だけで事務所開きを行った。


 挨拶だけの事務所開きを終えて、日常に戻っていくクルーを横目で見ながら俺は自分の部屋に連れていかれて、葵さんと岩崎さんとの面談を始めた。

 彼女の名前は岩崎あかねさんといい御年33歳だが、絶対にそうは見えない。

 どう見ても20代前半に見える美人だ。

 病み上がりということもあるので、また今まで苦労していたことから美貌に陰りがあるのだろうが、それがあっても十分に美人だ。

 これが絶好調になればどうなるのか正直俺には少し怖いくらいだ。

 葵さんも超美人でもあるし、何より娘の由美さんはJK離れした美貌を持つ。

 今までが今までだったので陰のある美人かと思っていたが、GWを境に明るくなったので、これまた手が付けられない。

 何より床でも、もう大変だ。

 俺の息子の暴走を抑えられなくするくらいなのだ。


 彼女のことを童貞キラーとでも呼ぼうか。

 幸さんも同様だから、クラスメイトの男子諸君は股間の暴走を抑えるのに大変だろうな。


 俺に関係のない男子高校生のことなぞ考えるのをやめて、この後のことについて話し合う。


 俺の部屋に美女が二人もいて、目の前にベッドがあるにもかかわらず、まじめな話ができるこの時の俺をほめてやりたい。


 入院中に葵さんとあかねさんは既に十分に話し合っていた。

 なんでもあかねさんは栄養士の免許を苦労の末に取得していたそうだ。

 たとえ母子家庭でも、栄養士としてならば十分に生活ができたはずだと俺は思うのだが、由美さんの父親ははっきり言ってまずかったようだ。

 女にだらしないというのではなかったようだが、だまされやすく簡単に借金をこさえて行方が分からなくなったと言っていた。

 これもやくざがらみで消されたのかもしれない。


 もう10年以上も前の話だそうだ。

 それからはその借金や、なんだかんだで苦労をしていたとか。

 そんな感じでも管理栄養士の免許を取得したのだからすごい人だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る