河原でバーベキュー
みんなでわいわい言いながらバーベキューの準備。
コリンナが、食材のイカやエビ、貝を見てびっくりしてた。
ムフフ、すごいでしょ。
他領行脚してる時にわざわざ漁村まで足を延ばして、たっぷり仕入れておいたんだから。他次元庫ちゃん、ありがとう。
ただね、焼きそば麺が無いんだよ。
どこにも売ってないから自作しようと思ったんだけど、重曹やベーキングパウダーも売ってなかった。
重曹は鉱物からできてた気がするんだけど、残念ながら私は作り方を知らないの。
でもね、お米や醤油、海苔は手に入れた。
フィリーネはあちこちの国を転々としてたから、作ってる国は知ってた。
だからフランクリンに頼んでその国から来てる魔導技師見習いの留学生を探してもらい、その人に個人輸入してもらってがっぽり手に入れたの。
だけど魔導機器関連のお仕事が忙しすぎて、私の日本食無双は始まらなかったよ。
でも忙しい合間にご飯炊いたり、養鶏場で卵仕入れてマヨネーズ作ったり玉子焼き焼いたり、仕入れた鶏で唐揚げ揚げたり、海のお魚捌いて刺身にしたりはしてたの。
だから今日は、作り貯めた日本食も放出しちゃいます。
だけどワサビは手に入ってないから、お刺身やお寿司は止めておこう。
デッキに置いてあったバーベキュー用の丸テーブル持って来たから、木陰になってる河原の地面を整地して設置。
このテーブルは広いから食材や調理済みの日本食も置けるし、みんなで席に着ける。
炭もいい具合に起きて来たので、さあ、本体になってバーベキューを始めよう!
「アカリ姉様、なんかすごくいい匂いがして来たよ」
「ああ、アンジェリカはお醤油初めてだったね。これは遠い外国で作ってる調味料で、焼くとすごく美味しそうな匂いがするんだよ」
「時々お姉様がお料理に掛けてましたけど、焼くとこんなにもいい香りなのですね」
「アカリ姉様、このぐるぐるしてるのは何? 蓋付いてるよ」
「それは海にいる貝の一種で、サザエっていうの。お醤油でいい匂いがしてるけど、中を取り出すのにちょっとコツが要るし、結構苦いよ」
「え、苦いんだ…。じゃあ私は止めとく」
「アンジェリカにはこっちがいいかな。ハマグリのバター醤油焼き」
「おっきな貝。私、貝食べるの初めて」
「メトニッツは海から遠いから、仕方ないよね」
「うわ、じゅわってしてすごく美味しい!! 貝、大好きかも!」
「冷凍の魔導機器も量産してるから、そのうちメトニッツでも海の幸が食べられるようになるよ」
「アカリ姉様とマギー姉様のおかげで、メトニッツでも貝が食べられる!」
「お姉様、エビからおいしそうな匂いがするのですが、これは臭くありませんか?」
「エビやカニは時間が経つと独特の匂いが出るよね。だけどそのエビは新鮮だから、すごく美味しいよ」
「あの匂いが苦手だったのですが、お姉様がそうおっしゃるなら食べてみます」
「そっか。じゃあその焼きエビ食べたら、私が好きなエビ料理を出してあげよう」
「このエビ、全然臭くなくて美味しいですわ! え? お姉様が好きなエビ料理?」
「アカリ様! これより美味しいエビ料理ですか!?」
「私の好みってだけよ。はい、どうぞ」
「アカリ様、私もエビフライのタルタルソースがけをいただきたいです」
「フィリーネはこれ好きだよね。はいどうぞ」
「ありがとうございます」
「「「美味しい!」」」
「フィリーネ、あなた、こんなにも美味しい物をわたくしより先に食していましたのね。ズルくございません?」
「アカリ様と海辺の領に行った時に作っていただきました」
「ああ、遠方領でのパーティー参加の折ですか。でしたらご褒美があっても仕方ございませんわね。ですがお姉様、他次元庫に隠していたのはズルくございません?」
「いや、忙しすぎてマーガレーテと一緒に食事するのって領都邸での朝食くらいだったじゃない。朝にエビフライは重いよ」
「それはそうなのですが…」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます