楽しく魔法修行…修行?
「アカリ様、これは一体…?」
あ、侍女さん怪訝顔。魔法修行とドールハウスが結び付いてないな。
よし、使い方をお見せしよう。
「これはね、アンジェリカ様へのプレゼント。こうやって使うものなの」
このドールハウス、一面が触れるように開いてるんじゃなくて、ガラス張りです。
うさぎさんを部屋の外に立たせ、魔法でトコトコ歩かせる。
この時点でもう、アンジェリカ様と侍女さんの目が思いっきり見開いてます。
きちんと歩かせるの、すごく難しいからね。
部屋のドアを開けて中に入り、戸棚からティーセット出して丸テーブルに配置。
丸テーブルの上にあったケーキスタンドからケーキをお皿へ。
椅子に座り、ソーサーからティーカップを持ち上げ、お口に。(残念だけど、紅茶は再現できなかった)
ティーカップを置き、デザートスプーンで食べる(残念だけど、これもフリだ)
食器類を片付け、ワードローブからネグリジェ取り出してお着替え。残念ながら、まだワードローブにはネグリジェしか入ってないけど、ちゃんと下着も着てるよ。
ベッドに移動し、おふとん入っておやすみなさい。
「なんで? どうしてうさぎさん歩くの? 生きてるの?」
「このうさぎさんは人形だよ。魔法で私が動かしてるの」
「魔法ってすごい!」
「そうだね。だけど今みたいに動かすには、このうさぎさんといっぱい遊んで仲良くならなきゃいけないの」
「私、毎日うさぎさんと遊ぶ!」
「気に入ってくれた? このドールハウス、お部屋が追加出来るようにしてあるから、できたらまた渡すね」
「お部屋が増えるの?」
「家族もね。最後はお庭もできるわよ」
「ほわ~。アカリ先生、私、すごくたのしみ」
「頑張って作るね。だけどうさぎさんと遊ぶのは、この時間と寝る前だけね」
「えー、もっと一緒に遊びたい」
「そうするとね、アンジェリカ様は疲れて倒れちゃうの。だから魔法の時間と夜だけよ」
「はぁい」
よしよし、なんとか考えてた内容はこなせたかな。
しばらくはこの時間と寝る前だけ遊んでもらって、魔素制御能力を上げていこう。
あ、忘れるところだった。
アンジェリカ様はレベル0だから、今回の講義実習でかなりの魔力消費してる。だから、ちょっとだけ魔力を補充してあげよう。
今はドールハウスに興奮して気付いてないだろうけど、もう二割切ってるように感じるから。
私が掌握してる魔素のごく一部をアンジェリカ様の周りに停滞させ、アンジェリカ様が抵抗なく魔素を吸収できるように魔法発動。
よし、講義前と同じくらいに魔力回復したね。
講義後アンジェリカ様と共に夕食を摂り、部屋に戻ってからうさぎさんのお友達作り。
操る人形が複数になると、魔力制御が一気に難しくなる。
二体操るだけで、難易度は四倍くらいだ。
だけどドールハウスで遊ぶなら、やっぱりお友達は欲しいよね。
最初のうちは、二体目を私が操ればいいし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます