第3話有名《ゆうめい》

「ここはどこだ…?」

おとこやまなかたおれていた。ちかくにはれたロープがにぶらがっていた。

おれだれだ?…とりあえず、だれるところへかなければ。」

だれかにけばこの状況じょうきょうかるかもしれない。あるいていると階段かいだん見付みつけた。それをりてく。

だれかが階段かいだんがってたので、おもわずこえをかける。

「あのう」

おとこたカップルはよろこびのこえげる。

「まあ!こんなところ出会であえるなんて、光栄こうえいですわ!」

「……?わたしことっているのですか?」

当然とうぜんです!あなたは有名ゆうめいですもの。」

じつ記憶きおくうしなってしまったようで、自分じぶんだれかもからないのです。」

「それは大変たいへんだ。あなたの本来ほんらい居場所いばしょにおれしてもいが、まずは病院びょういん案内あんないしたほうがさそうですね。」

カップルは山登やまのぼりの予定よていげて、おとこ病院びょういんれてった。

診断しんだん結果けっかおとこ記憶喪失きおくそうしつ診断しんだんされた。原因げんいんははっきりとはからないが、あたまったか、れないほどのストレスがあったかのどちらかとおもわれた。

病院びょういんのベッドでよこになってやすんでいると、どこからともなく患者かんじゃたちがやってきた。

応援おうえんしてます!」

わたしたちのためにがんばってくれてありがとう!」

尊敬そんけいしてます!あなたのようなひとになるのがゆめです。」

大変たいへん人気にんきぶりだった。

カップルが連絡れんらくしてくれたのだろう。おとこ身元引受人みもとひきうけにんがやってきた。

「さあ、貴方様あなたさま本来ほんらいるべき場所ばしょもどりますよ。まったく、3日間みっかかんなにをされていたのですか。」

医者いしゃから退院たいいん許可きょかをもらい、おとこ身元引受人みもとひきうけにん本来ほんらい仕事場しごとばもどった。

身元引受人みもとひきうけにん記憶喪失きおくそうしつであることをつたえたが、自身じしん記憶きおくがなくなっただけだと

「それなら仕事しごとはできるはずですね。からないことは説明せつめいしますから、ためしにこの仕事しごとをやってみてください。」

身元引受人みもとひきうけにんはスパルタだった。だが説明せつめいければ仕事しごと出来できたのでしとした。

数週間すうしゅうかんち、ある仕事しごとおとこあたえられた。身元引受人みもとひきうけにんすこ緊張きんちょうした面持おももちだった。おとこなにこころっかかるものをかんじたが、最善さいぜん選択せんたくでその仕事しごと完遂かんすいした。

その数年間すうねんかん仕事しごとをしていたが、ある突然とつぜんうしなった記憶きおくもどした。

それはあるくにとの平和的へいわてき交流こうりゅうせきだった。

そうだ。わたしはあの自殺じさつをしようとしていたんだ。わたしはこのくにのあらゆる政策せいさく改良かいりょうしてきたが、ながきにわたるあるくにとの戦争せんそうわらせることだけができなかった。くだらないプライドと自国じこく長年ながねんわたおろかな判断はんだんとらわれて。

自責じせきねんにかられてロープをってもりはいったが、そのおかげで記憶喪失きおくそうしつになってなん先入観せんにゅうかんもなくこの問題もんだい解決かいけつできてしまうとは。

(わたしはあのときんでまれわったんだ。)

あるくに大統領だいとうりょうおとこはなしかけた。

総理そうり貴方あなたのあのとき判断はんだん感謝かんしゃします。結果けっかとして戦争せんそうわらせることができました。」




ひとこと

記憶きおくうしなったのはくにのトップでした。









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