第3話 「竜姫と王女騎士2」

久しぶりの温かさに触れたフィルレイン。

そんな一面を見て心配になったエイナは、そばに寄り添い「そんなに辛い目にあってきたんだな」と自身の手を顎に当てながら腕を組み、

「でもいいの、これからはここが居場所なのだから…。」と安心しながら食事を取り、

二人で話していれば横から「貴女がフィルレインですの?」と二つのお団子髪が目立つ金髪の少女がフィルレインに話しかけ、

「貴女は誰?」と初対面であるからか、視線が強張り警戒して食事の手が止まり、

「おいおい、待て待て」とエイナから切り出し、

「こいつは、トルテ。あたしの幼馴染で王国で王女と騎士をしてる。訳あってここに住んではいるけどよ?悪い奴じゃないんだぜ?」と弁明しながら、

フィルレインは小さく「そう…。」と落ち着いて警戒を解いて、トルテに振り向き…。


「やっとこっちを向いてくれましたのね?」とそう、トルテは彼女と会うのは初めてではなくフィルレインが覚えていないだけで何度か戦いを共にしてきたのである。

「単刀直入に言いますわね、あなたがなぜ竜姫なのか…。」とトルテは口を開き始め、

「貴女の母でありエキドナに仕えてきた元竜姫、ルインはある日を境に失踪し貴女に置き手紙を残して去っていきました」とトルテは語り、

その渡された手紙には、私はこの先長くはないと後継として隣国のアルバスにて娘フィルレインが捕えられている。至急救援をとのことだった。

「母様が…。」と安堵と共に先長くない母に不安を隠せないフィルレインは、

「母様に、母様に会いたい…。」と同時にそれを無意識に声をこぼしていた。

「エイナ、しばらくフィルレインを頼みますわよ?」とトルテはフィルレインの様子を見るや否や王国の姫騎士として母ルインの捜索に人手をと動き出そうと、

「たく、いつも行動がはえーんだから…。まだ行くとは言ってねぇだろ…。」とエイナはため息交じりに、

フィルレインは「ありがとう、トルテ」と言えば「お安い御用ですわ、吉報をお待ちくださいませ?」とトルテはエイナの住処を後にし、

安心してお腹がすいたのか、フィルレインのお腹がぐぅ~と鳴り、「おかわりならあっから好きなだけ食いな」とエイナはフィルレインに笑みを向け、

食事を済ませながらに、数日後の吉報や連絡に備えて、フィルレインと共に旅支度に出るのであった…。

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火竜と氷竜の日常 @akki_0925

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