第3話 ワールドクリエイトエディッター

「テラよ」

「はい、創造主よ」

「とりあえずテレビ消してくれない?

気が散る」

「電源も落としますか?あの世界を無い事に出来ますよ」

自分の世界でもある癖に容赦のない意見だ

私が思いつかないとわかっているからだろう

「気に食わない作品を残しておくのですか?」

「色々付け加えて、改良出来るんだろ?ならばそうしてみるよ」

この部屋にも机と椅子を用意する

この程度は思えば出てくるのだが

机の上に置いてある紙が目に見えて増えてる

あの紙は私の想像力の具現なのだろう

「まずは何から付け加えますか?」

「魔法の理論を学術的に

魔物の生態を形作ろう

貨幣制度を導入し

商業概念の固定していこう」

「えらく箇条書きですね」

「何ごとも一つづつタスク管理しないとな」

この時私は一人のクリエイターとして始めて

楽しんでる様にも思えた。

「宗教的には何がいる?」

「私の意見を聞いていただけるので?」

「体感的にお前…テラの方が詳しいだろ?」

「概ね清貧的概念で成り立っております。

上位者の便利に使える聖人等の要素を取り入れてみては?

教会施設などもあればありがたいですね

人の存在意義を定義的にする為にもやはり宗教は大事だと考えております。」

「女神信仰は良いが

唯一神で大丈夫か?多神教だと問題あるか?」

「管理上便利かもしれません

しかし

世界情勢的に管理分野が左右される現状余りおすすめしません

私の分体を作り管理していきましょう

私の娘達…楽しそうですね」

「ピラミッド構造的な感じか?」

「2人程作りその後孫的な娘達を作って貰って…家族を待つのもいいですね」

「家族計画じゃ無いんだが」

あれよこれよとまとまっていく

「敵が欲しいですね」

急に危なっかしい事言い始めた

「人の歴史を体感していた貴方様なら理解しているでしょうが

敵対的概念が無いと人類同士で争い始めますよ」

間違っては無いのだろう

「帝国とか邪教とか作るか?」

「魔王とかいたじゃないですか、あれに肉付けして魔族とかになさいませんか?

あれで根源的敵対種族にしましょう

私の娘を魔族の崇める存在にすれば便利になりましょう」

「なんならゴブリンとかオークなんてどうだろうか?」

「竿役ですか?」

急に棘が生えてきた

「外国のファンタジーだとキノコの類扱いで地面から生えてくるらしいから

そこから設定を貰おう」

「竿役にはしないと?もったいなくて無いですか?」

やはり私には彼等に内心的竿役イメージが存在しているのだろう

「まぁ人型だし多種族の胎内に菌床を植え付けるとかはどうだろうか?」

創作意欲は新たな性的嗜好を産むのだろう

「魔族はオークやゴブリンにするのですか?」

「否、三国志的三角関係が理想として

人類、魔族、緑族(オーク)を予定している。」

「緑族の娘も用意しますか?」

「むしろ宗教概念を持たせない様にしよう

道徳観念持たれて下手に人類や魔族と仲良くなってほしく無い」

「滅んで欲しいと?」

「この世界の主役にはなってほしくは無い」

我儘かもしれないが

どう言われてもこの世界は私の物なのだ。

「世界観は固まってきたので新たな物語の主役を用意して頂きたいです」

「よしわかった。アレやコレや足しながら話をつくろうかね」

ありきたりな世界をありきたりな設定で固めていく

ありきたりな産みの苦しみ

誰でも出来るを軽蔑して

誰でもになれなかった私

少しは変われただろうか?

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