1-10.事件のあと

『わが師の流派に近しい存在、彼女を見つけた。

 霊を使役し、霊を除霊する祓い師。

 彼女なら、力を引き出せるかもしれない。

 もうこれ以上時間はかけられない。あの世と近づく今なら。

 我が大願のために。』


 男は手記を閉じ、手記の上に数珠を置いた。


「そろそろ行くわよ、おじさん。何してんのよ?」


「あぁ、今行くよ。おじさんだから身体が重いんだよ」


「おじさんって認めたわね! これからは遠慮なくおじさん扱いさせてもらうわ!」


「……やっぱ今の無し」

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