第3話 ぽこにゃん総統

現場に到着するとアロハシャツに半ズボンにビーチサンダル、夜にも関わらずサングラスに何故か軍帽を被った小太りのおっさんが現れた。前話でも書いたが今日は12月24日真冬だ…こんな格好をして寒くないのだろうか…よくよく見ると小刻みに震えて鳥肌がたってるじゃねーか…アホなのか?

そしてでかいラジカセから季節外れのハワイアンミュージックが流れていた…しかもかなりの大音量だ…

隣の民家から怖そうな兄ちゃんが出てきた。

兄ちゃん「オメーらうるせーぞクリスマスイブにそぐわねー曲大音量で流してるんじゃねーよ馬鹿野郎!」

ぽこにゃん総統「すいませんボリューム下げるので許してください…」

そう言ってぽこにゃん総統はラジカセのボリュームを下げた…

怖そうな兄ちゃんは舌打ちしながら家に戻っていった…

それにしても令和のデジタル全盛のこの時代にカセットテープ…しかも使い込まれてテープが伸びていて音質は最悪雑音混じりだ…

そしてウクレレを弾き歌いながらそのおっさんは階段を降りてきた。ラジカセから流れる曲、ウクレレの演奏そして歌全てがズレている…ウクレレに至ってはチューニングが完全におかしい…俺は音楽的な知識はないがこいつの演奏も歌も初心者もドン引きする程下手くそなのは分かる…

こんな登場の仕方を毎回ているがウクレレも歌も一向に上達してはいなかった…

おっと紹介がおくれてしまった。こいつの名前はぽこにゃん総統!

悪の秘密組織もふもふ団の首領だ…

こいつは世界中の猫缶を我が物にし全ての猫ちゃんを独り占めしようとしている訳の分からない悪事を企む小悪党だ…コイツは猫が大好きだが大抵の猫はコイツの事が嫌いである。オナニンジャーの到着が遅れると近くの野良猫と遊んでいてシャーとキレられて引っ掻かれているのを何度か目撃している!話が横に逸れたがぽこにゃん総統は科学者でもありいつも魔改造と言われる手法を使い一般人を怪人に改造する技術をもっている。これを食らうと自我を失いぽこにゃん総統の完全な下僕になってしまうのだ!怪人になると手足を斬られてもすぐに再生するそして常人離れした身体能力を持つのだ!どっかで聞いた事あるような内容だがこれはパクリではないリスペクトしてオマージュしただけだ!そしてぽこにゃん総統は魔改造された怪人1人ともふもふ団と呼ばれる白い猫の着ぐるみを着た戦闘員数名を連れて猫缶工場を襲撃するのが常套手段だ!

毎回思うがなんで白なんだ…回を増す事に汚れがめだってきている… せめて黒猫にするべきだろう…


ぽこにゃん総統「なんだ今日は1人か?まあ5人揃った所は一度も見た事ないけどな!今日こそオナニンジャーを倒して猫缶全てゲットしてやるぜ!怪人ピンサロン!戦闘員やっておしまい!」

そう!ぽこにゃん総統が言う通り俺達はただの一度たりとも5人揃って戦った事は無い…

しかもこんな不毛な戦いを何年も続けている!

ブルー、グリーン、イエロー、ピンク誰でもいいから早く来てくれ…

流石に怪人と戦闘員数人相手ではいくら俺でも敵わないぜ…

たった3話目にして最大のピンチを迎えるレッドなのでした…


第4話に続く

この話はフィクションです。実在する人物団体とは関係ありません。

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