その11

「ホントに動いたんですよ」


小坊主たちが、最近買った茶釜を指を差して、手足が生えて動いていたと伝えてきた。


そんな事が起こるはずがないと私は小坊主達をしかり、趣味の茶をたてることにした。


私は、茶釜を炉において呼吸を整える。


カタカタカタカタ


お湯はまだまだ沸かない。


ガタッ


バッシャーン


突然茶釜から水がこぼれて炉から落ちた。


幸いにも怪我はなく、畳が濡れた程度。


私は疑問を持ちつつも、もう一度茶釜に水をくみ、炉においた。


しかし、何度やっても茶釜が動く。


なんだ気味が悪い。


先程、小坊主たちが言っていたのは本当かもしれない。


勝手に動く茶釜は不気味すぎる。明日金物やに持っていこう。


怖くない怖い話「ぶんぶく茶釜」

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