無くなった後の葛藤
- ★★★ Excellent!!!
最初、この小説のキャッチコピーを見たとき、一体どういうことなんだろう、そんな疑問が浮かびました。
なぜなら、生きるという行為の代表例である、呼吸するということ。
それをすれば、しに向かってしまうというのです。
呼吸は時間を表していて、それが消費されているのかな、とか思いつつ読んでいたのですが、実際はそうではありませんでした。
それよりも、想像の上を行く答えでした。
主人公は失恋をしてしまったが故に、生きるという行為が嫌になってしまったのでしょう。
それでも、死に方を決める、私たちが忘れがちな権利を持ってして、生きることをしました。
そこに至るまでの葛藤、何より自暴自棄にも近い思考、それが綺麗にかつ繊細に表されているように思うのです。
ここまで、心情描写が緻密で繊細に書ける作者様に、最大限の賛辞を送りたいと思います。