第8話 ルナの行方と影の闇
「え?」それがルナの最後の言葉だった。
ミリアとルルは二人して泣いた。
「ルナ!!!!!!!!」
「きっと見つかるよ。大丈夫。」
そんな時でも慰めの言葉をいってくれる。少しルルに力をもらった。
「ありがとう。」
その後、ミリアとルルは一回家に帰って、作戦を練り直した。
ルナが消えてしまったから、あの道は通れる。
しかし、ルアラのところへ行くのが先か、ルナを見つけるのが先か、二人は考えていた。
今からルナを探してもどこから探したらいいのかわからず、ただ時間が過ぎていくだけだ。
もしかしたらルアラがルナの居場所を知っていて、直接聞いたほうが良いのではと考えた。
夕食を食べ、冒険の準備をした。
今頃ルナはどうしているだろう。何かされていないか?
不安な気持ちがまたこみあげてきた。
すると、台所からルルが出てきた。机にクッキーと紅茶をそえる。
それを食べると何故か心が落ち着いた。
気づいたときには、朝になっていた。どうも外が異様におかしい。
小鳥のさえずりも、風の音も何もしない。異様な静けさ。
不思議に思い、窓の外を見た。
まるで時間が止まっているかのように、葉も人も風も止まっている。
体が自然と震えだす。ガタガタ…ブルブル…
不安がこみ上げて、小声で囁いた。
「ル…ルル?」数秒後にトントントンと小さな足音が聞こえてきた。…。
「あっ!!!。ミリア。起きたのね。」静かな声で言う。
「どうなっているの?」主語もなく、ルルにミリアは問いかけた。
「どうって、あなたが決めたことでしょう?忘れないでよ。
時間をためるのは相当の力が必要なのだから。
ルアラと戦うには、結構ハードになる。民たちが気になって近寄ると、攻撃がぶつかるから時間を止めたほうがいいって。だから私が時間を止めたの。こっちも疲れているの。
早く出発しよう。」と、ルルは怒り交じりな声で一気に言った。
私が?寝ている間に気づかず言っていたのかな???。
そう考えていると、不意に背後から黒い影がサッと走った。
振り返っても何もない。
どこからか見つめられている気が…。
旅に行く準備をしているうちに、そんな事は忘れていた。
「そういえば、ルアラってそんなに悪いことしてなくない?」
ミリアがぽつりと言う。
今まで聞いてきたルアラの事は?
人間を守るために花を植えた。
花を抜かれて怒り、島を二つに割った。
大切に育てなかった母親に復讐をした。
ただそれだけ。
島を割ったのは、民のために植えた花を民が引っこ抜いたからだし、
母の復讐と言ってもただ自分に近づかせないないだけで危害は加えてない。親子の問題だ。
そう思いながら、この事を伝えようとルルのもとに走っていった。
しかし、この時ミリアは忘れていた。自分の親が亡くなっていること。何者からかの視線。
第八章 終
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