第5話 フェアリーゴットファザーに出会う

目的地まで結構遠いな、そう思った二人はルアラについて調べ始めた。

こういう時は相手のことを知ったほうがいいと、親から教わったからだ。


「ねぇ、ルナ。これじゃない?」

有名な人物が描いた本の中の一人を指さした。

そこには、美しい女性の写真と文が書いてあり、ルナが読み上げた。


「ルアラ様は、海と大地の使いであるルレルラの娘。只今21歳。

母のルレルラは仕事で忙しかったために、幼きルアラ様を召使いに頼んでいた。

ルアラは毎日毎日、お母様に会いたいと願ったが、会うことはなかった。

ルアラ様の住む国は大変美しい国である。

ルアラ様は、大地と天空の使いである。」

一瞬二人の心の中で時が止まっていた。

「え…。ルアラの悪事は書かれていない、どういうことだろう?」

そうしている内に、月が上っていた。


ルナとミリアはルレルラに貰った食事を有難く頂いた。

冷めてもおいしいご飯だ。 

食事後、その夜は二人ともぐっすり眠れた。 


夢を見た。

一瞬、眩しい光があると思った瞬間、目の前に神様みたいな人が立っていた。

真っ白な神と髭、銀色の美しい服を身にまとって、金色の杖を持ったお爺さんだ。

「あ、あの…。」口をパックリあけながらしゃべっていた。驚いて、変な顔になったんだろう。びっくりしていた、そのお爺さんが輝きすぎていたからだ。

すると、お爺さんがしゃべりだした。

「こんにちは。私はフェアリーゴットファザーだ。天国の使いでもある。

私は、あなた達を導くためにそなたの夢に出てきたのだ。しっかりと話を聞いてほしい。

まず、あなた達はルアラの国にたどり着いたら、目の前がトロッコしかないことに驚くだろう。なぜって?それはルアラの国は空にあって、トロッコで、空まで行くからだよ。

適当に一つのトロッコに乗って、ベルトを付けたら、急上昇するからね。

そうしたら、門が見えてくる。そこをくぐり抜けて、南東を目指して歩き続けたら、赤い屋根の家がある。そこの家の庭の中の階段を下りていくと、私の弟子がいるので、

その人に声をかけてみるがよい。石はそなたを守るであろう。」

そう言うと、お爺さんが光と一緒に消えてしまった。


目を覚ますと、そこには銀色の石が置いてあった。石を握りしめ、深呼吸をした。

そうしているうちに、目的地に着いた。

「ルナ!起きて!」ルナを起こして朝食を食べて、お爺さんのことを話し、出発した。

目の前はトロッコで埋め尽くされていた。元々言われていたけど、びっくりした。

二人はトロッコに乗って、ルアラの国まで超特急で行った。

門をくぐってから、散策しながら南東へ向かった。周りはとても輝いていた。

産業がとっても盛んなようだ。赤い屋根の家に着くまで、二人は思い出話をした。

「僕ね、生まれてから初めて見た人はパン屋のおじさんだったんだよ!」ルナが言った。

「えっ?」

「生まれた時視力がなくて、ずっと真っ暗だったんだけど物心つくようになってだんだん見えるようになったんだ!

で、その瞬間が、パン屋に行っている時だったわけ。」

「へぇ。視力について、こころあたりがあるのだけど。」ミリアが言った。

「私、滅茶苦茶目が幼い時からいいの。

双子で、視力だけ私の方に来ちゃったみたいね。」

「うわー!いいなぁ。羨ましい」ルナがむすっとした顔で言った。

「きっと他に私ができないことを出来る事があるよ!」ミリアが頑張って慰めた。

二人は楽しくしゃべり続けた。

そう話しているうちに、二人はもう赤い屋根の家まではもう少しだった。

日が暮れてあたりは真っ暗になり、ウトウトしながら歩いた。

しばらくすると、赤い屋根が小さく見えてきた。

 

そして、家の地下で小さな妖精の女の子が2人を静かにゆっくりと待っていた。


第五章 終

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