第19話 トマカのスタンピード
俺がトマカに付くと町の鐘が鳴り響きだして門内に早く入るように言われた、この鐘は魔の森から魔物があふれるスタンピードという現象でトマカでは10年に一度の割合で発生するそうで民も慣れていると言う事だった、森の端からは10kmは空いていて魔物があふれ出して森の外に固まりその中に指揮をする魔物が現れると進行し始めて町に向かってくると言う事だった、この街にはこの国では4番目の大きさの町で10万人強の人々が暮らし主に魔の森から魔物の素材やキノコや薬草などを取り生活していた、領主もスタンピードの防御には力を入れていて度々起こるこの現象の解明したいと考えて依頼を出しているがまだその依頼を受けるものがいなかった、暫くすると町の外に魔物が接近して来たと言う知らせがギルドに入り戦闘が始まったようだった、この町の城壁は7mの高さを誇り普通の魔物ではここを超えることは出来ないと踏んでいたが何やら騒がしくなってきていた、俺がギルドでタグを見せると是非協力してほしいと依頼があり城壁に向かうことに成り今辿り着いた。
城壁には領軍の指揮官らしき兵士が皆に号令を掛けていたが俺はそこには行かず少し離れた所に上り様子を見ることにした、実力の無い指揮官に指図されるのは自分の命を粗末にする事と同じだと俺は考えていたからだ、様子を伺いながら適当に援護して行くことにして外を見ると2000体か3000体の魔物が森から出てきて一塊になるところがマップに映り赤く染まっていた、今のところ魔物のボスが判明していないがやがて判るだろうと思いながら此れ位の数だとボスが大したことが無い限りは俺抜きでも勝てるだろうと見ていた、やはり問題はボスが何かと言う事に成るがそれさえ判明すれば俺がボスを倒しても良いと考えているし、極力俺を表に出さないで置こうと言う考えで行くことにした、すると魔物が動き出した第一波がせめて来るようで前面にゴブリンとコボルトその後ろにオ-クの体制で攻めてきた、ここで見るからに今回は死霊系の魔物は無いようで他の冒険者も胸をなでおろしていた、あいつらが居ると魔法が火魔法か光魔法の何方かがいるのだが光魔法持は非常に少ないし居たとしても精々ヒールが使えるか良くてハイヒ-ルが使えるぐらいで魔物に対してはそれほど役に立たないむしろ火魔法持の方が役に立つことが多い、一気に魔物が接近してきて奴らの中にも魔法の使えるマジシャンがいるようでファイアーボ-ルが飛んできた、それをこちらの兵士が盾で受け止めるようにはじき返している。
此方は城壁の上から兵士が弓で応戦して次々にゴブリンとコボルトやオークを倒していくが何せ敵は数が多い、こちらの兵士も時々傷つき倒れているがポーションを飲み回復させ復帰していた、第一波とは小一時間ほどで戦闘は終了したがなぜか2派が来ない普通魔物は数で押し切る作戦が主流だと思うが其処で違和感があった、この魔物を操るボスはかなり知能が高いのでは無いかという考えが俺の中で生まれた、其の事をギルドで進言するとギルマスが出てきて「俺はここのギルドを預かるヨハ-センと言うものだが、Aランク冒険者のダイキチ殿に折り入って頼みがある」と言ってきたので一応聞くことにした、するとギルマスが「今回のスタンピードが何か今までと違い一気にせめて来なかったと言う事は、ボスがかなりの高ランクで知的な思考ができて何か考えて居そうで怖い」と言い出した、そこでお願いなのだが「ボスを突き止めて始末していただきたい、報酬は金貨50枚用意したこの作戦は俺と領主の二人しか知らない話だ」と言って「引き受けてくれるだろうかこの作戦を頼めるのはダンジョンを3か所制覇したとされるダイキチさんしかありえないしお願いしたい」と言い切ったので、俺は引き受けることにしたが「明日の朝出発でいいだろうか」と言うと
それでOKだと言う事に成ったが、「だれか道案内が必要か」と聞いてきたが俺はその申し出を断った。
次の日俺は早い目に宿を出て城壁の近くに来ると城壁の上では兵士が寝頭の番をしているようで松明と篝火が10m感覚で燃えていた、俺はフライとインジビルを掛け飛んで外に出てきて先ずは魔物が屯する所に接近した、ここにはボスらしき魔物が居ない様だったが暫く様子を伺うとここの隊長と思われる魔物(オ-ガジェネラル)が伝令を出すようなのでその魔物に付いていく事にした、伝令役はオオカミに跨ったコボルトの様で中ボスに言われたことを覚えるとオオカミが走り出した、オオカミは大きさが3mぐらいある大型の魔物だし足が速くスタミナがあるようでアッと言う間に10kmぐらい走り魔の森に入っていった、森に入って3kmほど入るとそこには小屋が作られていてコボルトがオオカミから降りて小屋の中に入った、やがて小屋からコボルトと一緒に出てきたのがアラクネだった、アラクネは小屋の外に出てくるとそこに居るのは誰だと俺の方を8本の脚じゃない女人化した顔の傍にある腕を伸ばし指をさした、俺がアラクネを鑑定するとレベルが90も有りかなりのレベルで耐性も火・風・土・に耐性があり、使える魔法も風と土魔法が使えるようで鑑定も使えるようだった、俺がインジビルを解除して姿を現すとアラクネは驚いたようで「人族とはこれは驚いた、何をしに来たのだ今回のスタンピードの首謀者である我を殺しに来たのか、人族風情が何ができよう今すぐ帰るなら許してやらん事もないが如何する」と人語で話しかけてきた、俺はそれを聞いて「知的な魔物だな初めて見るがお前はアラクネと言う魔物で間違いないか」と聞くと「そんな事も知らないでここに来たのか不思議な魔法を使っていたが、所詮人間と言う事か直ぐに楽にしてやる」と言いながら魔法を唱えだした。
アラクネからウィンドカッタ-が3連で飛んできたが全て俺のバリアに当たり消えた、俺がアラクネに聞いた「今回の魔物の暴走はお前が仕組んだものか」と聞くと「そうだ私が仕組んだことだ、私の魔石の中にはそう仕組まれている」と言い「これは我々森に生まれる魔物はその様になって居るのだ、ある程度のレベルに到達すると魔物を統治して外の世界を目指すようにとインプットされているのだ」と言ったので
「それは誰がインプットしたのだ、そんな事は神でもなければ出来ない事だ」と言うと、「そう言うことだこれはこの世界を作りだした創造神さまの作り出した世界の理の一つなのだ」と言った、俺が「お前は色々な知識を持っているようだがどこで手に入れた」と聞くと、「この森の最奥にある大きな渦の中に入ると教えてくれたのさ」と答えた、俺はそれだけ聞き出したのでもう良いかと思い「有難うアラクネよゆっくり休め」と言ってレーザ-ビ-ムを打ちアラクネの額に穴を開けた、アラクネの魔石を収納して冒険者ギルドの傍に転移すると何やらギルドが騒がしくなっていた、ギルドに入り聞くと急に魔物の統率がなくなりやたらめったらに攻撃を仕掛けてきて全滅してくれたと話し合っていた、俺がギルマスのヨハ-センに会いたいと言うと直ぐに一つの部屋に案内された、そこにはヨハ-センが待っていて「よくやってくれた話を聞かなくても解るよ。遣ってくれたことが成功したと」言って金貨の入った袋を持ってきた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます