第3話「失敗は成功のもと」なんて信じれば信じるほど人生はつまらなくなる。
「うわぁ!なんだアイツ!」
みなが驚いていたのは小笠原諸島上空に出現した謎の巨大な能面。
無表情なのがいちばん不気味であろう。日本人形や能面は何故あそこまで恐怖感を抱くのか。それは分からないが、そんな事を深く考えようとも思わない。
「あれは、、、、巻原か?」
巻原直也。
戦闘力は20000。クラスでも一際目立つ訳では無いが能力はクラスの中でも最強だと思う。
能力は「共感性恐怖心強制発生」。
周りが何故か恐怖心を抱く物を強制的に引きずり出し、一時的に身体を硬直状態にさせる。
「ガ、、、?!動かねぇ!?」
さようなら。
そんな言葉は虚しく、突然巻原の腹に目掛けて飛んでくるナイフは胸元に突き刺さる。
「何?!」
驚きとともに顔を上げて周りを見渡すと一人の男が涙目でこちらを見ていた
「もういいだろ!!!」
意味深な言葉の後には走り出し、その直後に倒れた。
あの言葉の意味はなんだ?もういいだろ、まるで誰かに命令されたかのような言い草。
「大丈夫か?!」
大江行が恐らくあの男を倒したのだろう。だが変だ、、、あの嵌められた様な発言の後に現れると恐らく、
「なんのつもりだ?別クラスの人間を嵌めてまででも俺の得点を手に入れる理由は?」
「なんの事だ?話の内容が理解出来ないな。」
とぼけるが、それが本気なのか誤魔化しなのかが分からないラインだ。
「なるほど、そこまでするのか。」
「今お前を倒したら、お前が持ってる点数を脱落者である俺が得点を取得することになって全てが無得点に変わるんだぞ?」
「その必要は無いな。」
その直後、大江行の体が動かなくなった。お得意の残像か。
な?!
俺の胸にある感触は生暖かく、芯は冷たい棒のような感覚がある。
そう、背後から刺される。暗殺者がよく使う手である。
気配を最小限にし、刺したものの顔を確認できず、刃物の存在さえ隠せば完璧に隠蔽することが出来る。
だが、この刃物を背中に突き刺さした人物は誰がなんと答えようと大江行浩之だろう。
「最重要人物?」
小笠原諸島から離れ、学校の校長室では校長と副校長が話し合っていた。
「そうだ。大江行浩之。この男を今すぐに脱落させよ。この競技には必要ない。」
「正当な理由が無いと脱落にらはさせられませんね。」
「理由ならありますよ。大江行の裏には綾小路がいる」
「綾小路議事屋が?!」
綾小路議事屋。
この男は裏で手を引く男としては有名にも程がある程だ。
この男、特にこれといった事件は起こしては居ないが、前世の記憶があると言われている男の一人。
前世の記憶があり、前世で大罪を犯したと呼ばれているのが3人。
綾小路議事屋。四宮隆二。そして大江行浩之。
綾小路議事屋は爆破テロ。殺害人数56人。
四宮隆二は凶悪殺人鬼として指名手配。殺害人数3人。
大江行浩之は前世の戦闘力ら560000。カンストにカンストを重ねて能力を強化し、日本崩壊直前まで導いた男。
そんな重要人物。何を仕出かすか分からない。
「なんの話しをしているんですか?」
「あぁ、綾小路議事屋の、、誰だ貴様は!?」
「やだ、忘れちゃったんですか?」
言葉を発した直後には腹に生暖かい感触があり、副校長の男は心臓から血を吹き出させ倒れ込んでいた。
「貴、、、様」
「やはり最高だ、、、、。人を殺す感覚。」
この男の名は大江行浩之。
またの名を牛島陽水。重要指名手配犯の一人。
殺害人数。
562名。
「サバイバル能力強化では失敗しちゃったなぁー。こんなにつまらない結末では終わらせる気がなかったんだけど」
小笠原諸島は地獄絵図と化していた。
血肉が充満し。ハエが大群を作り島全体を覆い隠す。
首や手足が転がり。戦場の様になっていた。
「やはりこの能力を身につけてから世界は変わったんだ。」
失敗は成功のもとなんて信じれば信じるほど人生はつまらなくなる。
「カンストを得て手に入れたこの力。使わない訳には行かないだろうからな。」
常識改変。
「また時を遡らせるか。」
常識改変を使い記憶を戻した地点はサバイバル能力強化競技スタート直前。
これより本格的なサバイバル能力強化競技がスタートする。
結果は
1組32点。
2組18点
3組4点。
4組58点。
脱落者を合わせても4組にはどのクラスも抜くことは出来ない。
4組の能力を明かされ衝撃を与えた体育祭は、一人の男を除いて知られることの無い展開を巻き起こし、闇絵と消えた。
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