第22話





 いつもだったらもう寝ている時間にネイビーが訪れるなんて初めての出来事だったが、それ以上に内容が衝撃的すぎて眠気は吹っ飛んでいた。初めて聞いた驚きの内容に私の頭はついていけなかった。あまりにも私にとって都合が良すぎてそれが怪しすぎた。——はっ、もしかして私が無意識に闇魔法をかけてしまったのではないか。そう思ってネイビーの様子を注意深く見るも、どう見ても闇魔法がかかっているようには見えなかった。


「ねえ、ルイス。ちゃんと聞いてる?」


 やばい、考え事をしていたせいで少しぼーっとしていたみたいだ。私は慌てて『ちゃんと聞いてるよ』と返す。


「それならいいんだけど」


よく考えたらそんなおかしな話でもないと思い始めた。貴族の坊ちゃんがそういうふうに練習するのはむしろ当然かも。でもそれは、ネイビーの気持ちを無視しているのでは?


「あのさ、ネイビーは納得してるの? もしかして母上に無理やり言われてそうしているんじゃないの? だとしたら俺が言うから」

「だ、だめだめ。お、奥様には絶対に言っちゃだめだからね! 無理やりとかそういうのじゃないから。それにそういうの女の子に言わせちゃだめだよ? ちゃ、ちゃんと覚悟してここにきたんだからさ」

「ご、ごめん」


 何故だか慌てた様子のネイビーに思わず謝罪する。確かに、覚悟を持ってここに来てくれたのにそれを疑われるのはいい気分ではないだろうな。そんなことを思っていると、ぽつりと『でも、そういう気を遣ってくれるところ、好きだよ』と頬を赤らめながら言われる。その途端心臓がドクンと跳ね、体が熱くなっていくのを感じる。なんだろうこの気持ち、初めて感じるこの熱情はそれでも嫌なものではなかった。


「それで、どうするの? 私とエ、エッチしてくれる?」

「うん」


 一も二もなく私は頷いた。そもそも混乱していただけで私に断る理由などなく、むしろこちらからお願いしたいようなものだ。それに、こんな美少女に目を潤ませてお願いされたら断ることなどできようものか。私が頷くとネイビーが『良かったあ』と安心しているのが可愛かった。


 ベッドの上の布団をどかし、お互いに向き合って正座になる。この間も心臓はばくばく鳴りっぱなしだった。しかしここからどう動けばいいのか分からず、目を合わせながら固まってしまう。


「あのネイビー? ここからどうすれば?」

「あ、そ、そうだよね。じゃあキスでもする?」

「うん」


 四つん這いになって、私の方に近寄ってくるネイビー。改めてネイビーの姿を見ると普段のメイド姿とは異なりネグリジェのような格好で、見えそうで見えない感じがなんとも煽情的だった。ネイビーは私の目の前に来て、私の肩に手を置くとそのまま顔を近づけてきた。前世も含めてこれが初めてのキスだなあ、なんて考えながら目を瞑り待っていると、唇に柔らかいものがあたるのを感じた。味もなにもしないものだったけど、興奮を煽るには十分だった。


 どのくらいの時間だっただろうか。上手く息ができず息苦しくなっていたところで唇が離れる。はあはあと体に酸素を取り込んでいるとネイビーも息を荒くしていた。


「もしかしてネイビーも初めて?」

「うぇ? い、いや、そ、そんなことないよ。だから安心して私に委ねていいからね」


 そうだよね、こんなに可愛い子だもん。彼氏の一人や二人いるよね。そう考えるとどうしてだか、胸がチクリと痛んだ。罪悪感だろうか? それでも今この瞬間はネイビーは私のものなんだとその痛みを無視する。心のうちからネイビーを組み伏したい気持ちが湧き出て止まらなかった。


「もう一度キスしてもいい?」

「いいよ。うぷっ」


 ネイビーが返事をするや否やその唇を奪う。そうして今度は舌も入れて、口腔を侵す。絡まるベロは甘く、さっきとは比べ程にならない興奮をもたらした。今まで感じたことがないほどに下半身の一部に血が集まっていくのを感じた。


「はあはあ、急に何を?」

「ネイビーも気持ちよかった?」

「そ、それは」


 言いよどむネイビーを置いて私は次のことを考える。確か、エロゲとかではこの後相手の服を脱がしていたような……。うろ覚えな知識に基づいて動こうとするとネイビーに手をつかまれる。


「な、何するの?」

「何って、服を脱がそうかなって。ま、間違ってた?」

「……ち、違わないかも」

「もし間違ってたら言ってね。俺は、分かんないから」


 そう言い、私はネイビーの服を脱がしてベッドの上に転がした。あんまり複雑な構造じゃなかったのでスムーズにできた。脱がし終え出てきたその肌は、陶磁のようにつるつるとしていて綺麗だった。恥ずかしいのか、顔を真っ赤にしたネイビーが腕で前を隠しているところがどうにもいじらしくて可愛くてそのままいつまでも見ていたかった。ネイビーを見下ろすように見るのは新鮮で底知れぬ愉悦が感じた。次第にその隠されている部分も見たくなり、ネイビーにそうお願いする。ネイビーは頷いて、ゆっくりと腕を離して乳首や秘部をあらわにしていく。ごくりと生唾を飲み込み、じっくりとその様子を見ていた。


 そうして現れた光景はまさに理想郷だった。控えめながらしっかりと主張しているおっぱい、その先に小さくついている鮮やかなピンク色の乳首、そして女の子の大事なところもどこまでも魅力的だった。前世の頃、自分のものを散々見ていたはずなのにそれとはまったく違った。『そ、そんなにじっくり見ないでぇ』と今度は顔を隠したネイビーにそう言われるも従えそうになかった。


 自分のは少しグロテスクだなと思っていたのにネイビーのそれは間近で見れば見るほど美しく完成されていた。本能に従って私はそこに舌を伸ばした。


「はう。ま、待って待って、そんなとこ舐めちゃだめ。汚いから」


 ネイビーが何か言っているが耳に入ってこなかった。前世の経験からか、なんとなく気持ちよさそうなところが分かり、夢中でそこを舐めたり指で弄ったりしているとだんだんとネイビーの声が切ないものになっていったのを感じた。自分の手でネイビーが気持ちよくなってくれていると思うとそれだけで嬉しかった。だんだん唾液とは違う粘液が溢れてきて、さらに続けると一瞬声が止まり腰が跳ねた。イったんだと思い、口を離す。


 再び上から眺めるネイビーはとってもエッチで可愛かった。顔は上気しきっていて、肌もところどころ赤みがかっていて、必死にはあはあ言っている姿が本当に愛らしくて心臓が早鐘を打つ。


「はあ、はあ。ルイスゥ。どこで、はあ、こんにゃ」

「ねえ、ネイビー。も、もういれてもいい?」


 乱れた様子のネイビーはエロすぎて耐えられなかった。せめてもの確認として聞いてみたがもし拒否されても止まる自信はなかった。ネイビーは一瞬きょとんとした顔をしたもののすぐに優し気な表情でいいよと言ってくれた。


「じゃあ、い、いれるね」


 そのまま一気に挿入したい気持ちを抑えて、慎重にゆっくりと挿入する。半分くらい入ったときに『痛っ』と声を上げた。確認すると血が出ているのが見えた。


「えっ、初めてじゃないんじゃ?」

「ご、ごめん、さっきのは、嘘なの。ルイスに心配、かけたくなくて」


 何だそれ。そんな、そんな健気なこと言われたらますます興奮しちゃうじゃん。それにネイビーの初めての人になれたのがめちゃくちゃ嬉しかった。


「奥まで突いていい? ゆっくり動くから」

「うん、いいよお。ルイスの好きなようにして」


 もう、何でそんな煽るようなこと言うかな? そんなこと言われたら止まれなくなっちゃうじゃん。プツリと何かが切れる音がした。それから私は本能の赴くままネイビーを貪った。


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