第18話 大倉心春
「なかなか面白かったな」
「そうだろうそうだろう、やっぱり武器は良いんだよ!」
途中にあった謎の行動から立ち直っていこう、
「カナデも楽しんでくれたなら誘った甲斐があったよ」
「そうだな。今日は誘ってくれてありがとうな。また誘ってくれよ」
軽い調子で
「分かった。絶対誘う」
ゲーマーネームスプリング。本名を大倉
一年以上一緒にゲームをやって来た
「眼帯、意外と邪魔にならないな」
人によっては奇異の視線を向けて来る青い瞳も誤魔化せるし、意外と悪くないのかもしれない。まあ、変な目って思われる以上のダメージがありそうだけど。
「カナデ、ねぇ」
本名だろうな、とは思っていた。初めて一緒にゲームをやった時は明らかに初心者だったしハンドルネームなんて持っていないんだろうな、なんて感想程度だった。
『あ、初めまして。えっと、カナデです』
ゲーム内チャットから始まり、数日怠惰的に続ける中で文字を打つのが面倒になった
話に聞いたところでは同い年の男の子ということで、まあよくいる流行りに乗ったタイプの人なのかなと思っていた。ただ、どうやらそういうわけでもないらしく。どちらかと言えば
特段思い入れがある人では別に無かった。今までだって同年代で男のゲーム友達くらい何人もいたし、
ただちょっと、やったことのないジャンルだったし久しぶりに心穏やかに出来るゲームだったというのもあって日々の息抜きに
「あれ、カナデからだ」
開いてみると、今日も一緒にライオブやるか、と尋ねられていた。
ただの息抜きのつもりが、いつの間にか
まあ、普段はぴりつくような対戦ゲームばっかりやっているからライオブのゆったりとした世界観の中であう
でも、今日初めて会ってみて自分の中で確信に変わるものが確かにあった。
間違いなく、カナデが
「まあ、たぶんね」
頭の中で感情を整理しながら、あまり自信のない結論に付け足しておく。
しかし、少しだけ驚いた。何がガサツでずぼらな男だ。そこそこイケているではないか。一緒に歩くときなんかも
確か双子の女の子がいたんだったか、その子に鍛えられでもしていたのだろうけど。まあなんだ、女の子扱いされるというのも悪くないものだ。
「もちろんやる……次、なんかイベントあったかな」
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