第13話 見守りたい
「い、いいいいいってらっしゃい、
「
土曜日。平穏迎えたこの日の朝、先週
「だ、だって!
「もしあいつが悪いことして来たら俺は一生抜け出せない人間不信になるだろうな。まあ、心配しないでくれ。悲鳴の上げ方くらい知ってる」
「で、でもいざその時になると声が出ないものって聞いたことが!」
「それ電車で痴漢された時の話だろ」
こんな貧相な体つきで誰かが寄って来るとも思えない。
「ってか早く行きなさいよ
とても不安そうな
「あ、ほんとだ。それじゃあ行ってくる」
「き、気を付けてね!」
「ほーい、いってらっしゃーい」
二人の見送りを受けた
「行った、よね」
「行ったわね。じゃ、私たちも行きましょうか」
「うん!」
「
「お、おーっ!」
そんな作戦が立案された経緯はこうだ。
先週のショッピングモール、
「ん?
「えーっと、その、
「
どうやら食べたいものを決めたらしい
何か重大なことなのだろうか。
「来週、初めて会う女の人と遊びに行くって言ってたでしょ? 私、不安で……」
「そう? たまには
「で、でも! 騙されてるかもしれないし、電車乗り間違えるかもしれないし、道に迷うかもしれないし」
「
「そ、そう言うわけだから来週、一緒に
「ストーカーってこと?」
「す、ストーカーじゃないよ! そ、その……ほら、あれだよ! 保護者って感じで、遠くから見守るみたいな!」
「本人が認識してないそれをストーキングって言って、それをやる人をストーカーって言うのよ」
「うーん、でも、正直そんなことに時間使いたくないのよね」
「えーっ!? お、お願いっ!」
「そうは言われてもねぇ、
「あっ! そう言えばこの前ティスニーランドのペアチケットが抽選で当たっ――」
「やっぱり
そうは言っても
「い、いいの?」
「良いも何も当然じゃない! 任せなさい! 完璧に熟して見せるわ! ……だからその、ペアチケット……」
「うん、もちろん上げるよ。私、チケットが使える日に用事があって行けないから」
「そうだったのね! それは仕方ないし、私がちゃんと責任をもって使ってあげるわ!」
断じてティスニーランドのペアチケットに目がくらんだわけではない。そう、断じて違うのだ。
と言った感じで、二人は作戦を決行した。
「それじゃあ予定通り
「う、うん!」
サングラスをかけ、帽子を深く被った二人は駅のホームで
そんなことを露ほども知らない
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