第11話 急接近
「隣、いい?」
その言葉の意味するところ。つまり、隣に座っていいか、隣で一緒にお弁当を食べてもいいか、一緒にお弁当を食べてもいいか。
どっ、と大きく
「え、なんで」
「アニメのお話しとか、したいから。駄目だったかな」
「駄目ってことは、ないけど」
「よかった」
え、いやなんで隣なの? 隣である必要ある? いや、隣でいいとして一緒にご飯食べる必要ある? アニメの話がしたいって
「それで、この前送って貰ったアニメの話なんだけど――」
「あ、もうこんな時間。ありがとね、
「ああうん、また」
お弁当を片手に去って行く
「知らない人と一緒にご飯を食べるって、こんなに窮屈だったんだな……会社の飲み会とか絶対にいけないぞ」
早くも就職後のことを考えながら
時計を見てみると時刻は既に昼休みの終わり間近。何とかお弁当の中身こそ空っぽに出来たが、読書の時間は無くなってしまった。それでも授業までは数分あり、手持ち無沙汰な時間を過ごす羽目になりそうだと思った
「あれ、通知……」
全然気づかなかった。そういえば土曜日に
ただ、
『ごっめ~ん、卵腐ってたかも。ってお母さんが』
「だあぁぁ……酷い目にあった」
昼休みが始まってすぐに送られていた
「授業始まってるし……まあ、一回くらい遅刻したところで問題はないか。確か午後一発目の授業は、ああ、
二年二組担任義弘先生。この名前を初めて聞いた時皆男の中年かそれより老けた先生を想像したのだが、これが新任の女の先生なのだ。皆が驚いている中にされた自己紹介が義弘
無論、失笑である。
外見が小柄で童顔、年齢も近しいということもあって皆からは人気者なのだがぴゅあ先生と呼ばれると顔を真っ赤にして恥ずかしいからやめて! と怒るので皆面白がって呼んでいる。
そんなことを考えながら手を洗うために水道へと向かう。手を洗い、拭いているところで目の前の鏡に視線が向かった。
「そういえば、誰も髪切ったのに気付かなかった。いや、気付いてもいちいち声なんてかけないか」
登校中、
「まあひとまず、授業戻るか」
それから一分と経たずに教室に戻った
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