第一章 以上の条件から点と点との距離を求めなさい
第一節 ネッ友とオフイベ
第9話 幼馴染と一緒に登校
週末が明けて月曜日。
いつも通り無気力に学校に向かう
「
「うん。
「ん、おはよ。今日は
「うん、
「別にいいけど」
「よかった」
「か、
「えっ、ああいや、なんでもない」
「そ、そう?」
「……なあ、
「いいよ、どうかしたの?」
「少しおかしな質問にはなるんだが、
「え? セットでってことは、名前と顔が一致する、ってことだよね」
「そう」
「そうだな。中学生の頃の同級生は、ほとんど覚えてるかな」
「マジか」
百人以上いたはずだが。
「あ、でも名前を見たら顔が浮かぶとか、顔を見たら名前が出て来るとか、そんな感じだよ? 皆完璧には覚えてない。高校は、去年のクラスメイトは大体覚えてるけど、今年新しくクラスメイトになった子は全員は覚えられてないかも。それがどうかしたの?」
「あー、いや、ちょっとな。参考にしたくて」
「参考? なんの?」
「まあ、少しな」
まさかほとんど覚えているとは。流石は
先日も、どこかで見覚えがあるという確信を持ちながらも誰か分からない、なんてことがあったばかりだ。
やっぱりもっと、他人に対して興味をもって接するべきなのかもしれない。
「あれ?
「ん? ああ。少し、邪魔だったから」
「へぇっ! いいよ、似合ってると思う」
「似合ってるとかよく分からないが、そうか。それはよかった」
しかし、
「あ、ちなみに安心しろよ。切ったのは俺じゃなくて
「別に不安になんてなってないよ」
くすくす、と可笑しそうに
「
――そんな綺麗な笑顔が見られるのなら、なんだっていいか。
「ふぇっ!? え、えっと、ありがとう、ございます……」
しまった、口に出していたか。キャラのことを可愛いとか綺麗とか言う時は大体部屋の中だし、その度独り言のように呟いてしまう癖が出てしまった。変な事を言ってしまったな。
……なんかこれ、恥ずかしいな。自分の言ったことを振り返ってみて、
「あ、二人ともやっと追いついた! って、どうかしたの?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます