溶かされて、満たされて。

詩月結蒼

あい、アイ、愛




「ひゃうっ、やっ、んんっ、やめっ、やあっ……!」


 ミリアの弱いところにアルが触れる。

 ぴくぴくと痙攣するミリアをアルは優しく抱きしめ、愛撫する。


「あっ、アルっ、アル……っ」

「なぁに? ミリア」

「これ、やめ……てっ」

「んー、ミリアは嫌い?」

「やっ、そうじゃっ、なくっ……んんっ」


 声を抑えるミリア。

 アルはミリアの耳元でささやく。


「ミリアのは、素直だね」

「〜〜っ!! やぁっ、アル、やめてっ、……〜〜っ」


 快楽に悶えるミリア。

 愛らしい、とアルは思った。

 アルが溺愛するのはこの世でミリアだけだ。

 優しくて、明るくて、温かい。

 そんなミリアがアルは好きだ。


「ふぅ……んん……アル、お願い、やめて」

「どうして?」


 可愛らしいミリアがアルは好きだ。

 こうやって涙目で「お願い」するミリアを見ていると心が満たされていく。


「ミリアは、気持ちよくないの?」

「!! いじ、わる……アル、いじわる」


 キッとした目でアルを見つめるミリア。

 アルは「気持ちいい」とミリアに言わせたいが、ミリアは恥ずかしくて言えない。

 そんな気持ちを表すために「いじわる」と言ったが、それは逆効果だ。

 アルはミリアの全てを愛している。

 たとえ嫌われても、それを愛だと信じ、疑わず、ミリアを愛し続ける。


「俺は、すごく興奮してるよ。ほら」

「っ! ……アルのえっち」

「知ってる」


 だが好きな人の前で興奮しない男などいるのだろうか。

 全裸で、自分の手で気持ちよくなり、すがる、愛する者を見て。

 少なくともアルは抑えられそうにない。


「あっ」

「〜〜〜〜っ!!!!」


 少し強く触れてしまった。しかしもう遅い。ミリアはイってしまった。ぶるぶると震え、落ち着くと、アルの手を、服を、握った。


「ミリア?」

「……ばか」

「え?」

「アルのばか」


 褒め言葉としか受け取れない。

 そして今ので完全に理性が切れた。

 これでもアルは我慢していた方なのだ。


「……ごめんミリア」

「? アル……? ……っ!」


 ミリアはアルが改めて異性であることを知った。


「もう、我慢できない」


 はじめての快楽は、どろどろに甘やかされて、三日三晩続いた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

溶かされて、満たされて。 詩月結蒼 @shidukiyua

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ