第8話:愛彦の初めての経験。


「あ、そうだ・・・俺、薬局へ行ってコンドーム買ってこなきゃ」


「こんど〜?・・・なにそれ?」


「避妊用具・・・」


「ひにん?」


「妊娠すると困るだろ?」


「ぷ〜・・・なに言ってんの・・・」


「妊娠なんかする訳ないでしょ」


「なんでよ、万が一ってことがあるだろ?」


「私、仙女だよ・・・そんなことどうにでもなるよ」


「え?、そんなことまで自由にできるんだ・・・」


「バカだね・・・ヨシヒコは・・・」

「ほんとは、私とエッチするの怖いんでしょ?」

「なんかさ、ヨシヒコって奥手そうだし・・・女の子にだって声かけたこと

ないんでしょ?」


「そんなことないよ・・・俺だって男だし・・・」

「正直言うと・・・かなり我慢できなくなってる・・・」

「あのね、君みたいに綺麗な子が横に来てエロい匂いプンプン振りまいたら

潔癖な男だって、ダメ男に成り下がっちゃうよ・・・」


「へ〜そうなんだ・・・」


「じゃ〜・・・今夜、ヨシヒコに私をあげちゃおうかな」


そう言うと飛飛は、エロいフェロモンをヨシヒコに向かってさらに振りまいた。


飛飛の甘い香り?・・・なんとも言えない心地いい香りに愛彦もさらに

エロい気分になった。

下半身は人格を失っていた。


普段は、こういうチャンスにビビってしまうから自分には彼女が

できないんだと愛彦は思った。


飛飛はヨシヒコにべったり、くっついてきた。

そして我慢しきれなくなってるヨシヒコの耳元にエロい声で、とても

恥ずかしくてクチにできないようなことを囁いた。


それだけで愛彦は発射してしまいそうになった。


「お、女の子が、そんなこと平気で言ちゃうの?」


「ヨシヒコって本当にウブだね・・・」


そう言うと飛飛の手が愛彦の下半身に伸びて彼のモノをズボンの上から握った。


「ほら、こんなに大きくなって・・・スケベな下半身」

「私に逆らえないようにしてあげようか?」


そう言うと飛飛は愛彦の顔にフッと息を吹きかけた。


さっきまで少しは冷静さがあった愛彦は、飛飛に息を吹きかけられたことで

自分でも、どうしようもないくらい彼女を抱きたくなった。


仙女の息は男を惑わす媚薬に匹敵するのだ。

気がつくと愛彦は飛飛の唇に吸い付いていた。


「慌てない・・・焦る男は嫌われるよ」

「ゆっくりだよ・・・ゆっくり」


飛飛の漏れる吐息・・・吸い込まれそうな瞳・・・肉感的で妖艶な肢体。


夜になる前に愛彦の理性は崩壊していた。

こんな経験は初めてだと思った。

身体中が暑くて下半身の感覚が熱を帯びて燃えてしまいそうだった。


そのあとは、愛彦は無我夢中だった。

愛彦は飛飛の体の上で快感の波に溺れた・・絶頂を迎えた愛彦はどうしよう

もない不安に飛飛に、しがみつきながらイった。

それは、これまで味わったことがないような夢心地の世界だった。

この悦楽の時間が永遠に続いてほしいと愛彦願った。


愛彦は疲れ切って飛飛に抱きついたまま熟睡していた。


次の朝、愛彦は目覚めると飛飛の姿は見えなかった。


「朝早くからどこへ行った?・・・トイレか?」


昨夜のことは、よく覚えていた・・・はじめての夜は童貞を喪失した愛彦に

とっては忘れがたいものになった。

と同時に飛飛の手練手管に愛彦の気持ちは完全に持って行かれていた。


つづく。

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