第7話:今夜は初エッチ。

昼間、愛彦は仕事に行っていて家にいなかったから飛飛はヒマを持て余していた。

そして夕方、愛彦が帰って来ると彼のあとをついて回った。

晩ご飯を食べる時も一緒、愛彦がテレビを見ている時も、べったり横にへばりついていた。

風呂まで一緒に入ろうとしたが、母親と兄が、それは青少年には目の毒だろう

ということで反対された。

まあ、愛彦は女の子の裸なんて・・・ネットのエッチ画像くらいでしか見たこと

がなかった。

性少年だからね・・・AVとかも観るよね、普通に・・・健全男のなら・・・。


でも、あまりに飛飛が、四六時中愛彦のそばにいるからうっとしい時もあった。


愛彦の部屋にいる時も、かならず愛彦の横にいた。

だから飛飛から匂ってくる甘〜い香りで愛彦はエロい気分になった。


「あのさ、もう少し離れてくれないかな、悪いんだけど・・・」


「なんで?・・・私が横にいたら迷惑なの?」


「いや、そう言う訳じゃなくてさ・・・」


「ははあ・・・エロくなってるんでしょ?私みたいな可愛い子が 横に

くっついてくれるなんて経験、今までないから・・・」


「・・・分かってて、わざとやってるの?」

「もう、たまらないんだよ・・・」


飛飛はくすくす笑いながら


「男の人って、からかうと面白いよね」


「善右衛門もそうだったけど・・・」

「でも、善右衛門は愛彦と違って、どスケベだったからね・・・ くっつくと

めちゃ喜んでくれたよ・・・すぐに私を押し倒したよ」

「愛彦に鏡から出してもらって一週間くらい経つけど、もうそのくらいには

善右衛門とエッチしてたよ・・・」


「ひいじいさんも、いい歳して君みたいな若い子と・・・」

「飛飛とエッチしてたのかって思うとなんかさ、ひいじいさんのお下がり

もらってるって感じ」


「おさがりってなに?」


「ひいじいさんの食べたご飯の残り食ってるみたいで・・・」


「私は残り物じゃないからね・・・怒るよ」

「私のこと、そんなふうに思ってるの?・・・ひどい」


「ごめん、ごめん・・・ちょっと言いすぎた・・・まじでごめん」


「エッチさせてあげないよ」


「ごめんって・・・怒らないでよ・・・前言撤回」

「残り物だなんて思ってないから・・・」


「ヨシヒコ・・・私とエッチしたくないの?」


「いや・・・そういう訳じゃなくて・・・」

「なんでも初めてって・・・緊張するし、ドキドキするからさ・・・」

「つい思ってもないこと口走るんだよ」


「初めてって言ったよね・・・やっぱり童貞なんだ・・・」


「なんだって最初はあるだろ?・・・」


「分かった・・・じゃ〜今夜は、私とヨシヒコの初エッチだ・・・」


「え〜、ほんとに、まじで?・・・ちょっと躊躇ためらっちゃうな・・・?」


「なにビビってんの、恋人同士なんだから、いつかはするでしょ」


「でもな〜心の準備が・・・」


「だからなに、男の子でしょ、しっかりしなさいよ?」


「鏡の精と、エッチって・・・初エッチが普通の女の子じゃないって

のがな・・・」


「まだ、そんなこと言ってるんだ・・・私を鏡から出した責任はちゃんと

取ってよ・・・」


「それが飛飛とエッチするってことなの?」


「させてあげるって言ってるんだよ・・・なに遠慮してるの・・・」


「あ、そうだ・・・俺、薬局へ行ってコンドーム買ってこなきゃ」


つづく。


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