第8話 PDCAの話
【PDCA】という概念がある。
P=Plan(計画)
D=Do(実践)
C=Check(評価)
A=Action(改善)
という、4つの頭文字からなる概念だ。
概要は、先ず、目標を明確にし、それに至れるように計画(P)を立て、それを実践(D)し、その結果を評価(C)し、出てきた問題を改善(A)し、また次の計画に反映させて、それを繰り返し継続して改善を行い、より良い状態を目指していくことだ。
このPとDとCとAからまた、Pへと循環し、繰り返され、輪を描く様子から、PDCAサイクル等とも呼ばれている。
これは、ビジネスシーンにて使われている言葉であるが、 障害福祉サービスも、これを基軸として提供されている。
なぜ、PDCAサイクルなのか?
このサイクルが課題や、問題改善に非常に有効だからだ。
例えば、私の抱える大きな問題として、『仕事の継続力』が挙げられる。
調子が良い時は、仕事の継続に差し支えないが、
これを改善し続けることが、仕事の継続力という問題を解決するために必要なのだ。
では、どうすれば問題が解決していくのだろうか?
問題の根源を具体化させる必要がある。
私の場合は、うつ病への対処(服薬)、うつ症状が出る時の具体化(業務のやり過ぎ、過度なストレス等)がそれにあたるだろうか。
鬱病が完治する病気ならば、治療を続けることで自然と改善されるので、問題はなくなるのだが、残念ながら、病気が完治することは、今の所ないと主治医にも断言されている次第なので、私は、問題が表出しにくい、寛解を目指している。
寛解を目指すにあたって、問題を一つ一つ浮き彫りにして、それを解決する作業が必要なのだ。
自分のアイデンティを否定していくようで、これにはなかなかに苦痛が伴う。
言うなれば、私という会社が社会で通用し続け、倒産させないように、常に業務の改善を図っている状態だ。
これらの問題に関して、悔しいことに、私が一人でできることはあまりに少ない。
毎日の服薬。これをするためには、定期的な通院が必要だ。ということは、主治医の見立てや会社の理解がどうしても必要となる。といった具合に、他人の力を借りなければ、私は自走(自立)すらできない人間なのだ。
しかし、前にも言ったが、人は一人では生きていけない。
人間に必要とされる『衣・食・住』
私はその生産に何一つ関わっていないが、それを満たせるのは、多くの誰かがそれを生産し、流通させ、販売してくれているからだ。
こうして自分の考えを、多くの方に披露できるのも、この『カクヨム』というプラットホームを作った誰かと、そのプラットフォームを維持、継続させてくれている誰か。何より、これを読んでくれているあなたのおかげなのだ。
福祉の業界に入り、自分を含めた障害を持つ方の自立に向けて様々なことを見聞きしている内に、私は考えを改めた。人は、一人で生きなくても良い。という、逆転の発想だ。
一人で生きていけないのだから、一人で生きる必要がそもそもないという無責の気付き。杖を持っていたって、車いすを利用したって、誰かと運転を交代しながらだって、自分の意志で自分が行きたい場所に辿り着いたのなら、それは、自立と言えるのだと。
この考えに至った時に、私は少しだけ、重荷を降ろせた。
だからと言って、私が何もしなくて良いということでは、もちろん、無い。
私が誰かのおかげで生かされているのと同様に、私自身が誰かの何かの助けになっていなければ、それは、私が誰かのただの重荷になることに他ならない。
そんな重荷を誰も背負いたくないのは、重荷に苦しめられている私が、一番よく知っている。
そういう意味で、私は、人を上手に頼って来なかった。
人を頼る。
これが、私の問題の解決の糸口と言えるだろう。
ただし、ご存じの通り、私は人との関わり方が下手くそだ。
なので、人との関わり、頼り方を覚えることが、私の大きな課題となる。
そこで、これを軸に計画を立て、実践し、評価し、改善を行っていこうと思う。
言葉が適切かどうか分からないが、人の力を上手に使う力。
これを獲得した時に、私は寛解に近づき、仕事の継続力も上げられるのだと思われる。
しかし、不足を補おうと過分に力を出すと、途端に症状に悩まされる。なので、それはそれで、継続性に欠けて本末転倒となる。
頼り(寄り掛かり)過ぎても重荷となるし、頼らな(寄り掛からな)過ぎても結局は重荷になるのだ。このバランスを見極めることも極めて重要な課題と言える。
良くも悪くも、私のリミッターは壊れている。
エンジンがオーバーヒートするまでブレーキが利かない、メンテナンスにてこずるポンコツなのだ。
先は、まだ、長い。
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