第3話 1枚


 僕はその後も本来の目的を忘れて

 アルバム鑑賞に夢中になっていた。


 実家に帰ってきて

 どのぐらい時間がたっただろうか


 もう空は綺麗なオレンジ色に染まっていた


 おばあちゃん「さてと、そろそろ夕飯でも作ろうかね。せっかく拓也もいるんだしね」


 おばあちゃんは台所に立って

 夕食を作り始めた。


 何を作ってくれるのか楽しみだ。


 僕は夕食が何なのか楽しみにしながら

 その後もページをめくり続けた。


 時間が経つにつれて

 いい匂いがしている。


 おばあちゃん「拓也、今日はあんたが好きな焼肉丼にしといたよ」


 小さい頃からおばあちゃの家に行くと

 焼肉丼を僕のために作ってくれていた。


 野菜が苦手だから...


 僕はアルバムをみていて

 最後の1冊をめくっていた。


 そしてそこには1枚の写真が無造作に挟まれていた。


 今まで綺麗にまとめられていたのに

 この1枚だけは裏返しに適当に入れられてあった。


 おばあちゃん「拓也」


 急に名前だけを呼ばれてびっくりしたが

 写真を手にとって見てみた。


 その写真には今のような近代的な建物が写っていた。

 そこには成人男性と女性の2人が写っていた


 違和感を感じた。


 おばあちゃんは慌てた顔でこっちをみていた


 おばあちゃん「拓也、見てしまったね」

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