25.適した仕事
なかなか、どうして、ゴゴジはいなくなってもゴゴジだった。
私宛の伝言は数冊分の本ができあがりそうな文量だなんて思わなかった。読んでもらったら消えてしまうのが悲しく、書き写そうとして気が遠くなったのは言うまでもない。
「目がしんどい」
「はい、ホットタオルです! あとこれ、メロ・ジュ・リーリーのカスタードシュークリームです!」
「ほう、並んだか」
「開店前から並ばせてもらいました!」
ゴゴジの伝言板の書き写しに協力してくれているのはフェフェ。
所長代理やリーダーに頼まれて、キィちゃんとゴゴジの伝言板の内容を鑑定したのだという。私宛だから中身まで読むことはできなかったが、文量はわかった。書き写さないと人の記憶力では覚えきれないし、書き写すにも文量が無理だろうと思ったそうだ。
たまにはフェフェもマトモなことを考えるんだなと思ったら、頬を思いっきり引っ張られた。声に出てました。ごめんなさい。
式典後から図書室に籠もったのは、なんとゴゴジの私宛の伝言板から感じたものを先に調べはじめてくれたから。
菜園をよくするにはどうすればいいかと考えていたゴゴジ。フェフェは農業関係の本に埋もれていた。
ありがたさが振り切れて、フェフェ様とお呼びしたら、また頬を思いっきり引っ張られた。なんでよ?
フェフェが伝言板の書き写しに協力してくれているのは、ゴゴジの独り言から農業本を読むのことがフェフェの知的好奇心を満たすことになって楽しいらしい。一つのことに興味を持つと、とことん深追いしていくのがフェフェらしい。
私宛の伝言部分以外は、ゴゴジが私と出会って以降に菜園の様子を見て思ったことが綴られている日記のようなもので、なかなか膨大な量。
フェフェの異能を持ってしてもヒョイヒョイと書き移せるものではなく、ペンは異能で動かすが、地道にガリガリ書くしかない。それでも私が古代文字に戸惑いながら書き起こすより何倍も速くて、調べものも的確。
「ゴゴジはこの場所で蜂の飼育はどうなんだろうかと考えていたようだぞ」
「蜂?」
「だいぶ迷っている言葉が多いから、この環境に適しているのかはよく考える必要がありそうだがな。蜂……、養蜂だとして、この本をホワキンたちに渡して話しておいてみたらいい。さて、シュークリーム、シュークリーム」
「このあと持っていきます」
「ふはぁ、リーリーのシュークリームは極上だ。このカリリとした皮。ふわふわな皮もいいが、このクッキー風の皮もいい」
「まだありますから!」
今日は妖獣たちの朝食担当をしないで済む勤務シフトだったので、前日のうちに午前休申請して管理所を飛び出し、山を降りた街で行列必至の菓子店に開店前から並んで買ってきたシュークリーム。紛うことなくフェフェへの賄賂である。
私が浮遊バイクを買いに出た日の帰りに、リーダーから引き取り代行を頼まれたシュークリームも、フェフェが私に隠れて調べものをし始めて頑張っているご褒美だった。リーダー、私用だなんてブツブツ言って申し訳ございませんでした。
ゴゴジの伝言板はするすると布のように伸びて巻物のようになっている。
書き写したところからフェフェやチビなどに解読してもらって、私が認識した部分から消えているがまだとても大きな巻物で図書館の一席に鎮座中。
私宛の伝言と、管理所の菜園ではこうしたらいいんじゃないかというゴゴジの勝手な想いが綴られているボヤキ。
ボヤキだろうが私は嬉しい。
私宛の伝言は自分で書き起こした。
絵なのか記号なのか不思議な古代文字なので、一つひとつの文字の書き写し間違いが怖い。撮影できればいいのだが、妖獣の異能の伝言板に浮かび上がってくる文字は記録機器に映らない。必死に書いた。
私が書き写したもので解読できるかフェフェやチビに点検してもらって、お墨付きをもらってから、私宛の伝言部分を読んでもらった。
泣いたのは言うまでもない。
チビのことも書いてあった。小さなトカゲだったチビは巨大な竜になってから異能の制御がうまくできず戸惑うこともあって、ゴゴジはそんなチビにも異能の使い方を教えてくれた。
ゴゴジは私とチビにとっては先生だった。
およそ二年。
私の人生でとても濃密な大事な思い出になっている。
フェフェを労って菜園の新しい温室に行ったが誰もいない。
今の時期は暑いので、外での作業は早朝と夕方の二班に分かれている。早朝作業は日が高くなる前に終了し、新しい温室の整備となるはずなのにどうしたんだろうと、温室の外に出て見渡したら、遠くに耕運機を止めて何やら話している菜園の職員たちを見つけた。
叫んで呼ぼうと思ったが、点のように見えるものがこちらに向ってやって来る。
土の上を跳ねるようにやってきたのはセイは、まるでトビウオのようだった。
「来るのがだいぶ早くないか? なんぞあったか?」
「何も。ホワキンさんに本を持ってきたの。今日はこの時間なのに外なの?」
「今朝な、何かの苗が来ると連絡があって慌てて畝作りだ」
「苗?」
「『聞いてない!』と叫んどった」
何か気になることがあって話し始めてしまったんだろうが、日は頭上近くにあるこの時間。日陰のない場所での立ち話は短めにしないと。
セイは職員が立ち話している周辺の水路の掃除をしていて気が付かなかったと、慌てて職員のいるところに行ってくれた。フットワークが軽くて助かる。
ホワキンさんたちが戻って来るまでに、水分補給の確認をしておこう。
新しい温室は三棟。その三棟と管理所の間に温室とは別の建物がある。
ほぼ一日中、管理所の建物の影となる場所で、おもな利用は収穫した野菜の一時保管庫を兼ねた新しい仕分け作業小屋。夏場の職員の休憩場も兼ねるように整備中で、空調設備は工事が終わって稼働している。
収穫した野菜や種、苗の保管専用ならもっと温度を下げないと駄目だが、それはこれまでの倉庫がある。
今まで仕分けや選別作業は、その倉庫の前の空き地にあった小屋で、何年か前に空調設備が壊れてから屋根はあっても屋外と変わらない環境だった。やっと空調設備のある作業場ができたと、池の亀の石像を撫でていた菜園の職員の姿に泣きそうだった。
新しい作業小屋はまだガランとしていて内部はまだまだ工事途中。
出しっぱなしの簡易テーブルにドンと置かれたウォータータンクが数個に保温スープ鍋。菜園の職員だけでなく、温室やこの作業倉庫の整備作業をしている職員のための給水用で、それぞれ中を確認したら氷が浮いているレモン水と、オニオンスープ。スープはまだかなり熱いので補充されたばかりのようだ。これだけあれば今いる職員分は足りる。
小屋を工事整備をしている職員もおらず、時間的に昼休憩に向かったのかもしれない。
ウォータータンクがあるテーブルとは別の簡易テーブルに図書室から貸し出してもらった本を置き、タオルの枚数も確認。
これだけ暑いので戻ってきたら、絶対にみんな池に飛び込む。むしろ飛び込んでもらって涼んでほしい。
ドボンッ!
小さめの水音が微かに聞こえたので、セイが池に飛び込んだようだ。
ここにある池は染み出していた湧き水の付近を掘って人工的に作られたもの。周囲は草刈り程度で池の中まではまったく掃除もしていなかった。
早い話が水草でぼうぼうで、池の外周の石も苔
綺麗になった池の底はタイル張りになっている部分があり、人工池としてできたときから涼を取る場所として整備されていたこともわかった。
一度綺麗になれば、その後は定期的に掃除をすれば維持できる。池は人の膝くらいの深さしかないが、掃除された直後、池に上半身裸族な菜園の職員たちが次々と飛び込んで浸かっていた。暑さからのクールダウンには最高の場所になった。
池の掃除はゴゴジのボヤキにもあったことで、チビやオニキスに掃除を頼んでみようかと思ったが、セイが仕事として請け負ってくれて助かった。
「わっしの食事も兼ねられる。苔や水草は船ではほとんど食えんからの。御馳走じゃわい」
そんなセイだが、池を掃除し、菜園や温室、新しい休憩所に繋がる水路も掃除し、姿が丸々とボールのようになりかけたので強制的に勤務休みにしたくらい。
完全に『浮かれ食い』だった。
なにも異能で己の姿を変化させてまで食べなくてもいいと思うが、理性がぶっ飛んで止められなくなるのが『浮かれ食い』。吐き出しなさいと言ってもイヤイヤされ、セイの姿が戻るまで二日間、痺れ辛子の礼だと言ってくれたフクロウたちが預かって監禁してくれた。
セイには酷いと言われたが、浮かれ食いよくない。世話班メンバーで代わる代わる
耕運機の音とガヤガヤした声が聞こえたと思ったら、バシャバシャと水音が聞こえ始め、ゴゴゴと耕運機の走行音も近づいてきた。
「暑かったーっ!」
「午前中に終わらなかったのが悔しい!」
「お疲れさまです。ホワキンさんもナタリオさんも水浴びしときましょう」
耕運機に乗って戻ってきホワキンさんとナタリオさんにウォータータンクと保温鍋を一つずつ持たせて、コップを持って池に行けば、水に浸かっている菜園の職員たち。十数人が一度に浸かると狭いが、順番に寝そべって上半身も冷やしている。
「皆さん水分補給もしてくださーい。こっちが冷えたレモン水、こっちはオニオンスープです」
「俺はスープ、塩気がほしい」
「とにかく暑い。氷を取り出して齧ってもいいか?」
職員たちはザバザバと上がってきて各自飲み始めたので、さてセイはどこだ?
「セーイー、また食べ過ぎたらフクロウたちの檻に入れるからね?」
「水草は食っとらん! 食っとらんぞ! ナス一本だ! 本当だ!」
「その籠の野菜は全部食べていいけど、池の中でのつまみ食いはほどほどだからだね」
「厳しい目付役だのう」
籠に入れて池に浮かべてある野菜はセイの食事。野菜なら何でも食べるセイだが、苔や水草も大好きで、海なら海藻も食べるという。池に生える水草はセイには御馳走だというが、おやつ程度に留めるよう言い聞かせている。
ホワキンさんとナタリオさんも寝そべるように全身を池で冷やし、スープをがぶ飲みしていた。
私はセイのお目付役というより、菜園職員全員が暑さにやられないか見守る世話係のようになっているが状況的に仕方ない。
菜園の職員たちが落ち着いたところで昼休憩に向かう。
休むときはしっかり休むセイは、ホワキンさんたちとこのあとの仕事の確認をして、夕方までは寝ると言い、木陰に作ったセイ専用のハンモックに入っていった。
菜園の職員は仕分け作業場に食堂からデリバリーしてもらって昼食を摂る。上半身裸族の軍団で管理所を歩き回るなと怒られたからだ。だいたい作業後に池に飛び込んでびしょ濡れ。昼食のために着替えるのを面倒くさがってデリバリーが定着しつつある。
まだ新しい温室は本格稼働しておらず、暑さの中での日中の作業が続いている間は仕方ないのかもしれない。落ち着けば改善されるだろう。
「養蜂か。どうだろうなぁ」
「温室に植える作物の受粉は温室内専用の蠅にするつもりだから、外の菜園だよね。うまくいけばメリットもあるけど、世話や鉢の攻撃なんかも考えなくちゃだし、しっかり考えないとな」
菜園の職員たちに、さっきわかったゴゴジの新しいボヤキを伝えたら、それぞれが考え始めた。
検討してみてもこの場所に合う合わないとなることもある。ゴゴジのボヤキも解読を進めてみると、思いついたものの自ら却下とする内容もある。
「さっきフェフェが書き写し始めた部分に出てきたばかりなので、解読してもらえたらまたお伝えします」
「新しい取り組みや改善点を見落としてきたこともある。ゴゴジの声は一つの視点としてありがたいよ」
菜園の改善に協力をしていくことにはなったが、まだ読み解いてもらえた伝言を伝えることしかできない。歯がゆいが少しずつだ。
昼食を摂りながら午前のセイの様子を教えてもらった。
セイは初日からの三日間は新しい温室の土をとにかく耕してもらい、池の掃除という特別ミッションで『浮かれ食い』して私に強制連行されるやらかしもあったが、その後は極々真面目。
本当なら今日やセイは休みだったというが、急な作業が入ったため休みの日をずらして手伝ってくれていたという。二日後に二連休して、ゆっくりさせるそうだ。
「この暑い時期に苗植えなんて、去年やっていましたっけ?」
「例年なら秋冬ものの作付けは式典前に終わってる。ここで作らなくても
「早めに言ってくれってヤツだ」
「まったくな。セイがいなきゃ断ってたぜ」
「キィがニタニタしていたが、絶対頼みたくなかったもんな」
「命が縮まる」
『下』というのは山を降りた領都の街のこと。観光でごった返す街だが、その街のまわりは広大な畑が広がっている。
シャーヤランは原始の森があることで観光客がとても多く、この世界で三番目に標高の高い山脈があるため、年中登山客も来る。そんなこんなで他領からは観光と登山で潤っている街のように思われがちだが、実は農業が盛んなのだ。次いで畜産も多い。森で討伐した魔物の肉の物流量も多い。
街のまわりの畑で生産すればいいのに、わざわざ管理所の菜園で栽培するには理由がある。『原始の森で育った作物』という箔を求める需要は一定数あり、管理所の菜園はそういう思いが見え隠れする栽培依頼がきたりする。
街のまわりだろうが、管理所の菜園だろうが同じ気がするのだが、ホワキンさんたちも違いはわからないというから突き詰めるのは止めておく。
いろいろ思うことはあるが、苗や種が来てしまうのを枯らすのは忍びない。とにかく植える場所を確保し、収穫まで繋げたいとなったそうだ。
急きょのため、管理所にいる妖獣に臨時で手伝いの依頼を出すことも考えたそうだ。
しかし、チビは土いじりは下手なのはわかっている。山一つ吹っ飛ばすなら簡単なんだけどと言われて、土を掘り返してほしいとは言えない。絶対クレーターができる。鍋をそっと浮かせることはできるのに、なぜ土を一掴み分だけ浮かせて落とすことは無理なのか。物によって異能の制御に違いがあるとぶつぶつ言っていたが、結構な頻度で大穴を作ったり、ガチガチに土を固めたりする。
オニキスは長年の経験でまあまあできるが、整備班の手伝いもあって、ヘソ天でボケーッと漂っているだけに見えて、あれでなかなか忙しい。トウマを相棒としているから整備班の仕事が優先されるのは仕方ない。
フェフェはやればできるが、あの知りたがりの性格が災いし、やるならば土のウンチクを極めようと、別の方向に暴走し始めて現場を手伝うどころの話ではなくなる。
キィちゃんは遊ぶ対価がしんどいので、やってやろうか? と言われても全力で辞退。菜園の職員全員、キィちゃんと遊んだ経験はあるらしい。深く同情した。
そんな中、助っ人のセイは土いじりこそ天職という存在。セイだけで耕運機二台分に相当するという。それで休みの日を変更して助けてもらったという。
畝作りをすることになった場所は半年間休ませる予定で、そのあたりの水路も掃除していなかったが、セイはウキウキと水草と苔を集めていたそうだ。集めてどこかに隠しているようだが、私や妖獣世話班の説教は効いたらしく、つまみ食いはしても大食いはしていなかったと笑って告げられた。
さっきホワキンさんたちが炎天下で話し合っていたのは、自動水やり用のホースの配置。休耕地にする予定だったので、自動水やり機もメンテナンスしようと倉庫に持ってきているし、ホースも回収してしまっている。メンテナンスを急いでもらわにゃとぶつぶつ言っていた。
曇る気配もない午後はさすがに一時休み。日が陰ったら再開だと聞き、私も夕方に戻ってくる約束とした。
「そういや明け方にチビが帰ってきてたが、うまくやってそうか?」
「……はい。『さかなさかなさかな~』と歌いながら、また行きました」
ぶはははと大笑いされるが、これはもう仕方ない。
リャウダーの海で食べた魚の踊り食い。また食べたいも駄々をこね始めたのだ。
あれにいくら払ったと思っているんだ。貸し宿代より高くて、私の貯金がスッカラカンになったのはアレのせい。
チビの剥がれた鱗や抜けた牙を売れば大金を手に入れるのは容易いのはわかるが、それは駄目。妖獣、とくに竜種の鱗や牙などは高級素材。採集管理所職員として、個人事情の身勝手な売買は絶対駄目。クソ当主のようなことはしたくない。
ならば鱗と牙じゃなければいいのかと、チビはどこから掘り出して隠し持っていたのか、人の頭の大きさほどある金鉱石や銀鉱石の塊をひょいひょいと出してきたときは頭を抱えた。
夜中だったがリーダーを叩き起こし、所長も寝間着のまま駆けつけてくれて、すべて素材管理班で厳重保管してもらうことになった。売ることになったらいくばくかいただける契約書も結んだ。
若かりし頃のリーダーがほぼ同じことをフェフェにされていた聞き、とても心強かった。
管理所の図書室の蔵書が充実しているのは、フェフェが「なあなあ本を買ってくれよー」と持ってきた宝石が化けた結果だという。
リーダーが思い出したのか遠い目になっていた。この人が上司で本当によかった。
貴重品の所持は身の丈にあったものに限る。
勝手に鉱石を掘ってくるなと言ったら、ぶーぶー文句を言うチビ。
所長も頭が痛そうな顔で考えてくれて、早いうちにチビに適した仕事を斡旋するから、勝手に鉱石も宝石も持ってこないようにもう一度言った。
これまでチビに大きな仕事の依頼がなかったのは、式典デビューしていなかったから。
式典デビューしたことでこの管理所にいる妖獣として認知されたことになり、これまでオニキスに依頼となっていた内容をチビにも分担してやってもらうことにはなっていた。
早速とチビに依頼があったのは魔物討伐隊からのもの。
定期的に管理所周辺の森で行う魔物討伐隊は、これまではオニキスに運搬の依頼をしていた。討伐した魔物や希少な薬草を、鮮度がいいまま短時間で運搬できるのは管理所としてもメリットは大きい。
討伐自体に参加させる案もあったが、チビは無駄に大きいので姿を見せただけで魔物や動物のほうが逃げてしまい、逃げられたら討伐にならない。なので討伐隊の後方支援と緊急救助係を兼ねることになった。
討伐隊の後方支援メンバーには、解体などの作業を請け負うトーマスの牧場の従業員さんもいて、日頃のチビも知っている。チビも知った顔があって楽しそうに向かっていった。
管理所と討伐隊のキャンプ地を頻繁に行き来できる
今朝の日の出前にチビはキャンプ地から第一弾の討伐戦利品を持って戻り、補給物資を持ってバビュンとキャンプ地に飛んでいった。「さかなさかなさかな~」と歌いながら飛んでいったので、楽しくやっているようで何より。
輸送船よりも速いチビ運搬に討伐隊は驚くしかなく、ただ、チビが歌い続けるのをどうすれば止めさせられるかと通信で相談され、眉間に肘鉄を伝えたが実行できただろうか?
「魚か〜。ここだと川か湖だが、養殖もそう多くないしな」
「チビだと川と湖から魚がいなくなるまで食べ尽くしちゃいます」
「あの巨体だもんな」
「こんなにちっちゃいトカゲだったのに」
親指と人差し指で小指の長さくらいだったことを表せば、ぶはははとまた笑いに包まれた。
チビはもう少し大きくなりたいらしい。大きくなってもいいけど食べる量がなー。
管理所をクビにならないように頑張ろう。
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