第424話 それぞれの思春期
女湯はミーシャとミケが最初に。シルフィードとミグルが一緒に入るらしい。
今、ミーシャとミケが入っている。
「あんた、乳デカなったなぁ」
「前の服が着れなくなったりして困るんですよぉ」
「そんなんゲイルに新しい服バンバン買ってもろたらええねん。いつも一緒におるんやろ?と言うウチもそろそろ服を買わなあかんかもしれん。初めにゲイルに買うてもろたきりやからな。そやけど服てなんであんなに高いんやろな?」
「私にはメイド服がありますし、大丈夫ですよ」
「うちも仕事着はあんねん。普段着が少ないんや。寝る時は裸でもええねんけどな」
ブッ
ジョンとアルには刺激的過ぎる会話が丸聞こえだ。
「おい、ミケ、丸聞こえだぞ。最近色気付いて来た男が居るんだ。刺激的な会話は控えろ。服は明日にでもダンが買ってやるってよ」
何勝手なこと言いやがるとかダンは言うが金持ってるだろ?
「色気付いて来たって、ゲイルがか?」
「アホかっ!」
「ほならダンか? 」
「ダンはもう枯れてる」
「枯れてねぇっ!」
「あははははっ ジョンとアルやろ?そんなん解ってるわ。発情期ってやつや。ウチを見る目がエロいからなぁ」
ほらバレてやがる。
「え、エロい目でなんか見てないっ」
「ふ~ん、ほんまかなぁ~?」
「ほ、本当に決まってるだろうっ」
ジョンもアルも必死でごまかす
「そんな見たいんやったら、ちょっとくらい見せたってもええねんで」
「えっ!?」
ほれほれ~と壁の向こうからしっぽの先をゆらゆらさせるミケ。
それを見てごくっと唾を飲む二人。
何しっぽに興奮してんだよ?
二人がしっぽマニアになったら困るのでミケのしっぽの先を土魔法でバチンと弾いてやる。
フンギャーーーーーッ
ばっしゃーーん
「
「純粋な二人を汚すな。変な性癖に目覚めたらどうすんだっ」
「じょ、冗談やんかっ、それに変な性癖ってどういうことやねんっ」
「しっぽにしか興奮しなくなったらどうすんだよっ。それにそこからしっぽ出してんだ。どんなかっこうしてたか丸分かりだ。ダンまで赤くなってんだぞっ」
ゴンッ
「いらんこと言うなっ」
ミケはケツ丸出しでしっぽを突き上げてた格好をダンに想像されたと知って真っ赤になって湯船に沈んだ。
ブクブク・・・
(ダンのスケベっ)
「もう出るぞ。ここは情操教育に悪い」
ばつが悪そうに風呂から出た男どもを乾かしてやる。しばらくするとミーシャとミケも出て来たので同じように乾かしてやった。
風呂から出たミケは真っ赤だ。ダンはミケに気付かないフリをして酒を飲む。おい、酒飲むペース早いぞ。
ジョンとアルは悶々疲れしたのか先に寝に行った。ここのベッドで精通すんなよ。
何があったのか知らないシルフィードとミグルは風呂に行った。
スキル 鈍感を持っているであろうミーシャも酒を飲んだのか、フフフと笑いながら俺の頭を撫で続けている。
「シルフィードよ、ワシはお前に言っておかねばならんことがある」
「なんですか?」
「ワシの名前にゲイルの家名であるディノスレイヤが付いた。後から来たワシがゲイルを奪うことになってしまってスマン。初めて会った同種のお前とは仲良くなれるかもしれんと思っておったのじゃが・・・ 許せ、これもワシの美貌が悪いんじゃ」
ヨヨヨと泣くミグル。
「知ってますよ。ゲイル様から聞きました」
「そうか、やつはちゃんとお前に伝えたか。それを知ってもワシとこうして話をしてくれるお前は健気じゃの・・・」
「私の名前にもディノスレイヤが付いているんですよ」
「なんじゃと?」
「だから大丈夫です。ミグルさんは少し可愛い、私はすごく可愛い。たから私の勝ちですね!」
「な、なんじゃとーーっ!」
「もし、相手がミーシャちゃんなら勝ち目がないけど、ミグルさんなら大丈夫です。胸も背も私の方が少し大きいですし」
「そ、そんなわけあるかぁーー!」
「私はまだ成長期ですから、どんどん差が大きくなりますよ」
「ワシもまだ成長期じゃーーっ」
「あれ?もう魔力も止まったって聞きましたよ。きっともうずっとそのままですよ」
「いーや、必ず伸びる方法があるはずじゃ。絶対にあるっ」
ずいぶんと女風呂場が騒がしいな。喧嘩してんじゃないだろうな?
ドタドタドタドタっ
「ゲイルっ!他にも何か魔力が伸びる条件はないのかっ!」
げっ、ミグルのやつ、真っ裸のまま飛び出して来やがった。
「おい、ミグルっ、ダンも居るんだぞ。服くらい着ろっ」
はっ
「ぎゃぁぁぁぁぁっ!見るなっ 見るなぁぁぁぁっ」
また赤く光り出したので土魔法をぶつけて気絶させる。
「ミーシャ、悪いけど着替えさせて寝かしといてくれる?」
「はい」
ミーシャがミグルを着替えさせてる間に乾かしておいてやる。
ダンは真っ裸のミグルには無反応だったがジョン達が居たらヤバかったな。あんな幼児体型でも女だ。ジョン達にもロリの称号が付いても困る。というか俺もロリコンではない。なぜ変態ロリ王なんて称号が付いてしまったのか・・・
(ついミグルさんに意地悪を言ってしまいました。ゲイル様は私と居る時より、ミグルさんといる時の方が楽しそうにしてるのが悔しかったから・・・ こんな気持ちになるのはミグルさんのスキルのせいなのかな・・・?)
シルフィードはちゃんと着替えて風呂から上がって来たので髪の毛を乾かしてやる。フワッと柑橘系の匂いがするのでミケの言ってた新作リンスを使ったのだろう。
「あ、ありがとうございます」
「シルフィードさぁ、前から気になってたんだけど、俺に敬語やめない?」
「へ、変ですか?」
「いや、シルフィードもお姫様なんだし、それにこれから一緒に冒険者活動するだろ?冒険者に敬語は不要なんだよ」
「わ、わかりました。が、がんばる?」
「まぁ、いきなりは難しいかもしんないけどね。あと俺の事を様付けで呼ぶのやめて」
「えっ?じゃあなんて呼べば・・・」
「ゲイルでいいよ」
「わ、わかりました。げ、ゲイル」
「そうそう」
「じゃ、私の事も愛称で呼んで欲しい・・・ かな・・・!?」
愛称か。育ての親のダートス達はシルって呼んでたな。でもシルって感じでもないんだよな。なんか汁を連想してしまうし。俺も愛称としてゲイとか呼ばれるのは嫌だ。
「じゃぁ、シルフィって呼ぶよ」
「はいっ!」
「へぇ、シルフィか。ええな。ウチもなんか愛称で呼んでや。」
ミケなんか略しようないだろ?
「じゃあ、ノラとかどうだ?」
「なんか嫌やその響き。捨てられたみたいな気がする」
野良猫のノラだからな。
「ミケはミケのままでいいじゃねぇか。呼びやすいし親しみあるぞ」
「そ、そう? ほならこのままでええわ」
ダンとミケって何となくお似合いだな。ダンもフランの敵討ちが出来た事でどこか踏ん切りついたみたいな感じもするし。
しかし、ダンとミケが結婚したらパンダが生まれんじゃないだろうな?猫熊だけに・・・
「おう、ぼっちゃん。俺達もそろそろ寝るか」
「そうだね」
ミケも酒飲んだみたいで眠そうだな。さっきからアクビしっぱなしだ。ミーシャの目もトロンとしている。
「ミーシャ、歩けるか?」
「ぼっちゃま、眠いですぅ」
ダメだ。ミーシャが動こうとしない。酒飲むといつもこうだな。
「ダン、俺達はここで寝るわ。ミーシャが動かん」
「そうか、ミケ、シルフィード、ほら寝にいくぞ」
俺は居間に魔道バッグからスプリングマットと毛布を出してミーシャを寝かせた。一人でここに寝かせるのも可哀想なのでライトを消して俺も一緒に寝る。
「ぼっちゃまって温かいです」
子供は体温が高いからな。
「いいから早く寝ろ」
「はい」
夜中にこっそりとシルフィードがズルいですと潜り込んで来たのはいつもの事だ。寝入ると毛布の取り合いになるのでもう一枚毛布を出した。
その頃、ダンは夢を見ていた。
「ダン、それいい匂いね!」
パクっ
「フラン、てめぇ何勝手に人の食いやがるんだよっ!」
「あらいいじゃない。私がそれ食べてあげるからダンはニンジン食べなさい。ほら、早くそれ食べさせて」
「ったくしょうがねぇなぁ」
「うん美味しいね」
「そうか、そりゃ良かったな」
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