第283話 闘技会の詳細

闘技会が近付いて来たので、どうなっているのかアーノルドに確認をする事に。


「父さん、闘技会の内容ってどうなってるの?」


「魔法使い、剣、パーティー戦の順番だぞ」


「勝負内容と賞品は?」


「これが内容だ」


【予選】

・魔法使い部門

的にどれだけ正確に当てられるか。上位6名が決勝戦へ


・剣士部門

参加人数分が多いため全員まとめて戦って最後まで立っていた10人程度が決勝へ


・パーティー部門

岩の中に隠したお宝を見つけた先着順4組が決勝戦へ



【決勝戦】

・魔法使い部門

3人ずつでバトル。各組勝ち残った1名でバトル。


・剣士部門

トーナメントバトル


・パーティー部門

相手の旗を取った方が勝ち。トーナメント制



【賞品】

・魔法使い部門

優勝

ドワンの魔法使いの杖(威力1.5倍の劣化版)及び魔力全快ポーション5本


準優勝

魔力全快ポーション5本


他決勝参加者

魔力全快ポーション1本


・剣士部門

優勝

ドワンの剣又はリッキーの刀及び蒸留酒1樽


準優勝

ドワンの剣又はリッキーの刀及び蒸留酒大瓶1本


決勝戦進出者

蒸留酒大瓶1本


・パーティー部門

優勝

魔力&体力全快回復ポーション及び治癒ポーションを各5本×人数分、蒸留酒1樽


準優勝

魔力&体力全回復ポーション及び治癒ポーションを各3本×人数分、蒸留酒大瓶1本×人数


決勝戦進出


蒸留酒大瓶1本×人数


副賞/全決勝戦に進んだ者に対してバルでの2時間食べ放題飲み放題券1枚



「結構大盤振る舞いだね。魔力と体力回復を全回復するポーションなんてあるんだ」


「何言ってんだ、お前に作って貰うんだぞ」


は?


「聞いてないよ」


「すぐに出来るだろ?」


そりゃ出来るけど、なんかさも当然のように言われるとイラッとする・・・


魔力水と体力回復水を混ぜて飲んでも効果あるんだろうか?アーノルドで実験してみよう。


「試しに作るから父さんで試すよ。母さん、父さんの体力をギリギリまで削ってくれるかな?」


「え?おまっ、いやゲ、ゲイルくんは何を言っているの・・・かな?」


なぜか顔が赤くなるアーノルド。


「使ったことない物を人にあげると良くないと思うんだ。父さんの体力と魔力が全回復するなら他の人でもするでしょ。だから父さんが実験体になるのが一番いいんだよ」


「ゲイル、私は良いわよ」


「良いわよっておま・・・」


「じゃ、稽古場でやってて。父さんの体力が減りやすいように手枷と足枷付けておくね」


「稽古場でやっててとかおまっ」


アーノルドに両手両足に5kgくらいのオモリをつけた。


「あ、父さんは素手ね。じゃ俺は部屋で試作してるから」


「素手? ちょ、待てゲイル!おいゲイルっ!?」


「アーノルド、さ、稽古場に行きましょ」


言っておくけど、体力を削るって弟か妹作ってとかじゃないからね・・・真っ赤になるなよアーノルドよ。


さてどれくらいで体力無くなるかな?魔力は無くならないだろうから後で吸うかと、親に容赦ないゲイル。



けっこうな打撃音が一時間ほど続いたあとアイナが呼びに来た。


「まだまだ体力ありそうだけどこれくらいで十分じゃないかしら?」


血の付いたトンファーをくるくるとさせながらアイナはスッキリとした顔をしている。アーノルドに容赦がないのは妻も同じだった。



稽古場に行くとアーノルドはぼろぼろになってぐったりしている。怪我はアイナが治したみたいだな。


「父さん、鑑定するよ」


一応断ってから見ると体力は半分ほど減り、魔力は減っていなかった。アイナ相手には身体強化はしなかったらしい。男の意地だろうか?


壺の水に魔力を捨てながらアーノルドの魔力を吸っていく。


ずぞぞぞぞぞ


ふんぎゃぁぁぁあとアーノルドが叫ぶが気にせずに魔力が残り1になる迄吸った。


「はい、これ飲んで」


小さな小瓶を渡すと慌てて飲み干した。


うん、体力・魔力とも全回復したから成功だな。


「で、どうなんだ?」


「バッチリ。じゃこれ作っておくよ。ちなみにこんな万能ポーションって売ってるの?」


「無いから賞品にするんだろが」


アーノルドはとっても不機嫌だ。


「それってやばくない?」


「俺が遺跡から持ち帰った物ということにするから心配いらん」


なるほど、それはディノスレイヤ領でしか出ない賞品として魅力的だな。


その後もいつまでもぷりぷりと怒っているアーノルドにもう一度魔力を吸ってやろうかと思うゲイルなのであった。



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