第17話離乳食始まる

おっぱいを卒業して離乳食になった


朝:ミルクで麦をふやかしたもの

昼:ミルクで麦をふやかしたもの

夜:ミルクで麦をふやかしたもの


同じものを食べ続けて6日・・・


7日目の朝食:ミルクで麦を・・・


ええ~い!いい加減病気になるわっ


くそまずい上に同じもんばっかり食わせやがって



百歩譲って離乳食が不味いのは許すとしても、ふつー、野菜とか肉とか魚とか混ぜないか?細かく刻んで柔らかくなるまで煮込んで離乳食作るだろ?


栄養バランスとか考えてないのか?


バカなの?ねぇバカなの?


・・・・・

・・・・・・・

・・・・・・・・・・


あぁ、知力が少ない世界だったな。まさかこんな所にまで影響してくるとは・・・


仕方がない、他のもの食べたいアピールをしていかなくては。


「ゲイルちゃん、はい、あーんして」

スプーンを口まで持ってくるアイナ。


ぐっ


口を閉じて抵抗する


「ダメよ、ちゃんと食べなきゃ。あーんして」


ぐっ


「どうしたのかしら、口を開けてくれないわ」


「鼻つまんだら口開けるぞ」


ちょっ!アーノルド!何言っちゃってくれてんだ!この脳筋野郎!


「そうね、鼻つまんでみようかしら」


アイナ、お前も脳筋か!?


ヤバい、このままだと毎回鼻をつまんで無理やりミルク麦を食わされてしまう。


お、隣に座ってる次男のベントの皿にスクランブルエッグのようなものがあるぞ。


バッとスクランブルエッグを手掴みで口の中に入れる。


ゴチッ


痛って~。コイツ殴りやがった


思わずキッと睨み付ける


「な、なんだよ~、お前が人のもの盗るのが悪いんだろ」


確かに盗ったのは悪かったが殴ることはないだろうが


けっこう痛かったので更に睨み付ける


「ふ、ふぇ~~ん」


あ、泣き出した。


ざまーみろ。さんざん上司とやりあってきたオッサンの眼光をナメんなよ。


って、冷静に考えるとベントはまだ7歳だったな。やり過ぎたか?


「まぁまぁ、やめなさいあなた達。ゲイルったらみんなと同じものが食べたかったのかしら?」


そうそう!アイナ、そうなんだよ。もうミルク麦は見たくもないんだよ!


「ちょっと食べさせてみたらどうだ?」


おぉ、さすが脳筋アーノルド、離乳食始めたばっかりの幼児に戸惑いなく普通食を勧めてくれる。


「大丈夫かしら?まだ早くない?」


「まぁ、食べさせてみたらわかるさ」


やったーっ!これでミルク麦を卒業出来るぞ。


「じゃ、少しだけね」


アイナが自分のご飯を小さく切って食べさてくれる。


1年ぶりの食事だ!

むぐむぐ


おぉ、うま・・・旨い・・・・・のか?


・・・・・?なんか微妙な味だな。


しかし、ミルク麦よりは断然いい。


むぐむぐむぐむぐむぐ・・・


なかなか飲み込めん。


むぐむぐむぐむぐむぐ ごっくん


やっと飲み込めた。


まだ歯が数本しかないから噛むのが難しい。


「あ、食べたわ。」


「ほら、なんでも試してみないとわからんものだろ?」


「そうみたいね、お昼からのご飯どうするか考えてみるわ」


「おい、ジョン、お前も見てないで早く学校に行け、遅れるぞ」


「うわっ、ホントだ。行ってきま~す」


むぐむぐ・・・ 長男のジョンは今年から学校に行きだしたらしい。


むぐむぐむぐむぐむぐ この世界にも学校、ごっくん、あるんだな。


「ベントも泣き止んだのなら、文字の書き方勉強してこい。早く覚えないと学校に入ったら恥かくぞ。サラ頼む」


ベント付のメイドはサラという名前か。むぐむぐむぐむぐむぐ


って、文字の むぐむぐ 勉強っ?


どこで?どこでやってんだ? ごっくん


「さ、ベント様、お部屋に参りましょ」


「ヒック ヒック・・・わかった」


まだ少し泣きながらサラに連れられて食堂を出ていくベント。


そうか、ベントの部屋で文字の勉強してるのか。お腹もいっぱいになったし、良い情報も聞けた。今日はいい日だな。明日にでもミーシャにベントの部屋に連れてって貰う作戦練らなきゃな。


その日、昼、夜とも普通食を食べた。






お腹を壊してまた数日ミルク麦になった。

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