第16話ミーシャです

ミーシャです。


14歳です。


母親は小さな時に、父親は12歳の時に亡くなりました。父親が亡くなって孤児になるところを領主様の奥様がメイド見習いとして雇って下さいました。


見習いなのでお給料はあまり高くはありませんが、ご飯もお部屋も服も全部付いてます。心から感謝しています。


ゲイルぼっちゃまが生まれたので、ぼっちゃま付のメイド見習いになりました。


ぼっちゃまが生まれてから半年ぐらいして事件がおこり始めました。


なぜか水浸しでゲロまみれになってたり、変な物音がしてゲロまみれになってたり、時折部屋から何かぶつぶつと呪文のようなものが聞こえてきたり・・・


それにまったく泣かないどころか笑うこともありません。


赤ちゃんってこんな感じなのでしょうか? 兄弟がいなかったのでよくわかりません。


お部屋に入るとぼっちゃまにじっと見つめられます。というより何か観察されているような気がします。


少し気味が悪いです・・・



ぼっちゃまが無事に1歳になったので、ようやくお部屋の外に出してあげることが出来ました。


赤ちゃんの間に亡くなってしまうことも多いので、1歳になるまでは生まれた事をなるべく隠しておくのがご貴族様のしきたりなんだそうです。部屋に閉じ込めておくのは少し可哀想な気がします。


また事件がおこりました。


なんとぼっちゃまが浮かんでいたのです!それに私を見てハッキリと「あ、ミーシャ」としゃべりました。


奥様の剣幕に負けて勘違いということにしましたが間違いありません。


奥様に責められている私を見てぼっちゃまは「ママ」と小さく呟いてくれました。それでその場が収まったのです。


ぼっちゃまは本当に赤ちゃんなのでしょうか・・・・


いや。生まれた時から見てきてるので赤ちゃんで間違いありません。そうです。間違いありません。


あ、初めての言葉がミーシャだったことを少し喜んでしまったのは内緒です。


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