第13話やっぱり知力が足りない
どっから見てた?
「え?」
だから、どっから見てたんだ?
「さっきのこと?」
そうだ。
「ヨイショッって日本語でしゃべったあたりかな」
くそっ、コイツ最初から見てやがったのか。
「お前、またねーってからなんで来なかったんだよ」
「ちょっとぉ!何怒ってんのよ。来なかったって、ほんのちょっとの間じゃない」
数ヶ月がほんのちょっと?
「あら、ほんのちょっとの間でも淋しかったのかな?それとも私に惚れちゃったとか!?ダメよ~、まだ赤ちゃんなんだからぁ」
コイツ・・・
「あれ?ところでぶちょー、なんかおっきくなってない?」
だから赤ちゃんにとっても数ヶ月はデカイんだよ。
はぁ、産業革命も少し前とか言ってたから時間感覚が人間とはまったく違うんだろな。
「もういい。それより聞きたい事がある」
「なぁに?」
「この世界で魔力値の平均ってどれくらいなんだ?」
「そんなの知るわけないじゃーん。一個一個魂の数値なんて見るわけないし」
・・・・
相変わらず役に立たんな
「じゃあ、今まで見たことあるなかで一番多かったのはどれくらいだ?」
「そーねぇ、確か9000とかだったかな」
おおぅ、100歳まで生きて2400が最高かと思ってたが、9000とかあるんだな。
「魔力はどうやって増えて行くんだ?」
「毎月死ぬまで一定の量増えていくわよ」
「全員?」
「そ、人や種族によって増え方違うけどね」
「他の増え方はないのか?」
「あるわよ、強い魔物倒したりとかでも増えるわね」
ん?・・・魔物?
なにそれ、怖い
「そ、そんなのいるとか聞いてないぞ」
「ぶちょーが居た世界にもいたでしょ。犬とか猫とか。こっちは生き物全部魔力持ってるから魔物って呼ぶの」
なんだそういうことか。
「ゴブリンとかオークとかたくさん居るわよ」
本物の魔物じゃねーか!犬猫と一緒にするんじゃねー!
ダメだ。コイツの感性が理解出来ん。
「じゃ、じゃあゴブリンとか倒してたら魔力値が増えて行くんだな」
「あんな雑魚倒しても増えないわよ。持ってる魔力も少ないし」
「どれくらいの魔物だと増えるんだ?」
「魔力値が高いのは竜種とかかな。あいつら魔力使って飛んだり、火吹いたりするから」
竜種・・・
そんな奴倒せる気がしねぇ
「他には無いのか?魔力を使い切って0にしたら増えるとか」
「何それ?そんなの知らな~い。
魔力切れたら死ぬくらいダメージ受けるのに、魔力値増やすためにそんなことする人いるわけないでしょ」
そうか、あの目眩と吐き気は死ぬくらいのダメージなのか。知らなかったとはいえヤバかったな
「もう聞くことないわね?じゃ、またしばらくしたら様子見にくるわね」
「ちょちょちょっと待て。お前のしばらくは100年単位だろうが」
「なによ、私もそんなに暇じゃないのよ」
「わかった、あともう一個だけ教えてくれ」
「俺にはすっごい魔法の才能があるって言ったよな。それはどんな才能だ?」
「どんな才能って言われても、すっごいのはすっごいのよ」
またこいつの知力の低さが・・・
「あ、すっごい才能持ってる人は死にやすいから気を付けてね。じゃ、まった・・・」
「待て待て待て待て!」
「何よ、相変わらず面倒臭い奴ね」
「面倒臭い言うな!死にやすいってどういうことだ?寿命が短いのか?」
「寿命と言うより、殺されることが多いかな」
「殺される?」
「そ、凄い才能持った人は持たない人に狙われるの。だから自分の身は自分で守ってね。じゃあ・・・」
「だから待てって!」
「俺がお前に話があるときはどうしたらいいんだ?しばらく来ないんだろ?」
「あ、それなら、私が返事するまで魔力込めながら名前呼んでくれたら聞こえるから。じゃねっ!」
あ、消えやがった。
何がすっごいだよ。
相変わらず知力の低い回答しやがって・・・・
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