第7話魔法が使える世界

魔法の才能?


俺に?


「魔法なんて使ったことないぞ」


「当たり前じゃない。ぶちょーが元居た世界には魔法が無いんだから。あんたバカなの?」


コイツ・・・


「星を作ろうの初期パラメーターの話は覚えてる?」


そういやそんな話してたな。


「色々なパラメーターがあるんだけど、重要なのは世界が発展するために何を軸に使うかなのよね」


ふんふん


「で、ぶちょーが元居た世界は知力で発展するようにパラメーターを上げた分、魔法が使えない世界になって、私の所は魔法が使える代わりに知力のパラメーターが低いの」


あぁ、なるほど。コイツの初めの説明も知力が足りなそうだったもんな。


「しっしっ失礼ね!誰が知力が足りないのよっ!」


あ、思った事もバレるんだっけか


「ごほんっ、それでぶちょーには私の世界で魔法を使って発展させてくれるのを期待してるのよ」


なるほどねぇ


「しかし、知力で発展させるより魔法の方が利便性が高くて発展早そうなもんだけど」


「私もそう思って魔法パラメーターを上げて全生物に魔法が使えるようにしてあるんだけど、なぜか実際に魔法使える生物が少ないのよね」


ん?魔法が使えるのに使えない?

どういうことだ?


「魔法を使うにはイメージが重要なの。こうなれ!とかああなれ!とか」


うんうん、それで?


「色々調べた結果、自分が魔法使えるのを知らなかったり、知力が低い分、強くイメージ出来なかったりするのが原因みたい」


なんだそりゃ?


「例えば・・・、ぶちょー、尾てい骨って知ってる?」


それくらい知ってる。


「尾てい骨って動物のしっぽと同じなの。人間は使わないから退化したけど、機能としては残ってるのよ。」


それで?


「ぶちょー、尾てい骨動かしてみて」


は?


尾てい骨を動かす?そんなこと出来るわけないじゃないか。


「ね、出来ないでしょ。それと同じなの。ホントは動かせるはずなのに動かせない。魔法も同じ」


おぉ、なるほど!

知力が低い奴にしては分かりやすい例えだ。


「知力が低い言うな!」


あ、またバレた。


「それなら自分のパラメーター見えたら魔法使えるようになるんじゃない?自分には魔力があるって実感するだろうし」


「見えるわよ」


え?


「みんな自分だけじゃなくて他人や物とかあらゆるパラメーター見れるのよ」


じゃあなんで魔法使えるの知らない奴がいるんだ?


「見ようとしないからよ。そもそもパラメーターを見るのも魔法なの。自分が魔法使えるの知らないのにパラメーター見ようとするわけないじゃない、アンタ馬鹿なの?」


くっ


「それにパラメーターって知識すら無いと思うわ」


そうか、知力も低かったんだっけ。


「しかし、全員知力が低いってわけでもないだろ?個別に見れば知力の高い奴もいるだろう?」


「確かにすっごい知力持った魂が居たわよ。こっちの世界じゃ宝の持ち腐れだからちょっと前にぶちょーの元居た世界に異動させたわ。なんてたっけな?サンギョーカクメイ?てのをしてたわね」


サンギョーカクメイ?


あ、産業革命か。世界を大きく発展するきっかけになったやつだ。すげぇ!


・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・・・・


「なぁ、その魂、こっちで頑張ってくれたら産業革命か魔法革命とかしてくれてめっちゃ発展したんじゃないの?」


「だって魔法能力は低かったし、こっちのほうが才能生かせるからってゼウちゃんに言われたから。あ、ゼウちゃんってのはぶちょーが元居た世界を作った娘ね。それで私も知力の高い世界の方がいいかなぁと思って。ほら、ぶちょーもこっちに異動したじゃない?」


「あっちの世界は魔法が無いから魔法能力は無駄だけど、こっちの世界は知力が低いってだけで無い訳じゃないだろ?

高い知力も役立つんじゃないか?」


「あっ!?」


こいつやっぱり知力低いわ。


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