第30話 写真

今日から俺は弁当を作ることにした


いつもより朝早くに起き(5時)


弁当の中身の調理


もともとは二人用作るつもりだったが


何か嫌な予感がするので


自分用だけだ


弁当の具材で余ったものが朝ごはんになる


だから今日からはパンではなく白米だ


高ノ宮がパン派だったら怒られるな...


いや

なぜ俺が怒られなければいけないんだ


俺がいつもご飯作ってるんだから

別に俺の勝手だろうが


あ~俺なんで心の中で

怒ってるんだろ


...よし!


初めての弁当が完成した


卵焼き、パリパリウインナー

アスパラベーコンにレタスのサラダだ


まぁ~最初はこんなもんだろう


「ふわぁぁ~ねむたぁ~」


...このぐうたら女神をはやく起こさなければ


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今日は少し早く来すぎた


いつもは明見日さんがいるのだが

まだ来ていない


暇だ


まぁ~本でも読んd


「あれ?この前の童貞くんじゃん」


げっ!

この声は


「あ、朝早いんですね?綾瀬さん」


未だ掴めないこの人


あや


「童貞くんもこんな時間に来てなにごと~?まさか好きな女の私物でもあさりに来た?」


「しませんよそんなこと!!後童貞くんって言うのやめてください!!」


「でも童貞じゃん」


「いやそうですけど!」


やっぱりこの人苦手だ


もともと顔がいい女の人が苦手な俺は

相性が悪すぎる


「...仕方ないし童貞くんって言うのは辞めとくよ」


「そうしてください!」


「で?なんのようですか?」


「あ~少しいい写真撮っちゃってね」


「...どんな写真ですか」


「これなんだけど」


「!?」


そこには俺と高ノ宮が一緒に部屋に入っていくところが映っていた


「なに勝手に撮ってるんですか!?」


必死にスマホを奪おうとする


が、あっさりと躱されてしまう


「そんなに怒らないでよ」


「いいからその写真を消してください!!」


まずい!この写真はまずい!


この写真が学校で出回ったりすれば...!!


一刻も早くこの写真を消さなければ!!


「じゃあ私を捕まえれたら消してあげる」


そう言ってどんどんと距離を置いていく綾瀬


「あなたを捕まえればいいんですね!!」


確かに俺は陰キャでスポーツも苦手だ


でも!

さすがに女子なんかに負けない!


「まてやゴラァァァァァァァァ!!!!!!!!!」


「へぇ~なかなか早いじゃん...でもカーブさえすれば..!」


あいつ曲がったか!


でもそこは階段!


そこで一気に差を詰める!!


「階段は俺の勝ちだっ!」


俺が曲がった先で見た光景は

階段の一段目で踏み外し

今にも落ちそうになっている綾瀬がいた


やばいやばいやばい!

落ちたら確実に軽傷ではすまないぞこれは!!


「あやせぇぇぇぇ!!手を伸ばせぇぇぇぇ!!」


「...!!!」


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「うぅぅ...う~ん」


うまく体が動かない


ここはどこだろうか


「ここは...」


目を開いてみると大理石の天井?らしきものが

薄っすらと見える


「山崎くん?山崎くん!大丈夫ですか!」


この声どこかで...


頭がうまく働かない


「山崎!?しっかりせぇ~よ!!」


「あうあうあうあう」


今俺は多分誰かに揺らされている


「加賀城さん!!なんてことするんですか!!」


「あ、すまん。」


加賀城?


...加賀城!


「加賀城!?」


「うわ!急に起きんなや!山崎!」


「山崎くん!私が誰かわかりますか!」


「頭が痛いから静かにして...」


「す、すみません」


俺は今多分友達と話しているのだろう


頭が痛くてうまく話せない


「おい。山崎...」


「あの今はすこし...」


俺が顔を上げるとそこには

見たことがあるようなないような

美人な女の人がいた


「え~と...待ってください」


あ~やっと頭が回ってきた


...今俺がしゃべっている相手って


「高ノ宮...さん?」


「お!やっぱ記憶喪失とかにはなってねぇ~な」


「えっと~俺ってなんで病院にいるんですか?」


記憶がはっきりしていない


なにか写真の事でもめていた記憶はあるのだが


「あ~そこの記憶やっぱねぇ~の?」


「...はい」


「とりあえず明見日さんに感謝しときな。最初に山崎を発見したのは明見日さんなんだからな」


「あの!明見日さん!ありがとうございます!お礼とか後でしますから!」


「お礼なんてそんな!できることを最善に尽くしただけです」


明見日さん...!!


やっぱり天使だなぁ~!


「そ、その~正確にいうと最初に見つけたのは私じゃないんです」


「明見日さん!それはいったいど~ゆ~ことや!」


「そ、その~とりあえず外で待っていると思うので」


「外?」


確かに扉の外に誰かいる気がするが...


「じゃあ私たちは交代ということで」


「明見日さん!それはないや...!!」


「加賀城さん?」


「なんでもないです」


明見日さんたちは扉の外で誰かと話しているようだ


「...失礼します」


「あ、はいどう...」


おれはその顔を見た瞬間すべてを思い出した


俺がなぜこんな姿になっているかの元凶を

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