第25話 ロマン

高ノ宮side


「で、どうなんだよ?」


「あ、え~と」


この反応は...

どっちだ?


前まではもしかするかも

と思っていたが今考えれば

このハイスペック女子が

あんな陰キャに惚れるはずがない


「...山崎くんはとてもいい人だと思っています」


「ふ~ん。で?」


もう少し詰めてみるか


「え...「で?」とはどういうことですか?」


「いい人だけで終わらせんのは違うんじゃね~か?」


明見日はひどく混乱していた

もしかしたらバレるのではないかということを


「......」


これは押し切れば勝てっ!!!


「お~し!何食うかなぁ~!」


「声でかいって」


「あ~すまんすまん」


この声ってまさか...


後ろを振り向き

ドアの方を確認する


そこには美形の男子一人と

特につかみどころのない顔をした男子が一人いた


その二人組はこちらに向かってくる


そして...


「お!明見日さんと高ノ宮さんじゃん!」


...せっかくいいところだったのに


最近ストレスもたまってるし

あとでこいつボコるか


「あ、加賀城さん。山崎くん」


「4人座席やし一緒の席座ってええか?」


「いいですよ」


そういうと加賀城は明見日の隣へ

山崎は高ノ宮の隣に座った


今の状況を言うと


・右が窓

・左が通路

・そして窓側に座っているのがあたし

・同じく窓側に座っていて

あたしの前にいるのが明見日さん

・で、明見日さんと同じ席に座っていて

通路側にいるのが加賀城さん

・あたしの隣で通路側に座っているのが

このさえない男子、山崎


...やっぱりこう見ると明見日さんと加賀城さんて

美男美女だよな


「明見日さんと加賀城さんってお似合いじゃね?」


私は軽くそんな発言をする


「そ!そうか!そう思ってくれんのはありがたいなぁ~!」


加賀城さんは明らかに嬉しそうなのはわかる


が、明見日さんは...


「そ、そうですか...ありがとうございます」


なんとも思えない感じだな


冗談交じりで言ってみたが

こうも分かりやすいとは...


「逆に明見日さんと山崎って似合わねぇ~よな~」


これなら...


「まぁ~そうだと思います。僕とはレベルが違いすぎるので」


山崎はちゃんと自分の立場が分かっているみたいだな


あたしから推測するに

加賀城→明見日

明見日→山崎?

山崎→わからん


こんな感じだろうよ


明見日さんのほうを見るとさっきの言葉で

なにか効いたようだ


「山崎くんと私はお似合いじゃない...ですか」


「だって陰キャとハイスペック女子だろ?漫画でしか見ないわそんなの」


あたしは笑いながら話す


そこへ調子に乗った加賀城も加わる


「確かに漫画でしか見いひんなぁ~!」


その言葉で周りの空気が変わったような気がした

またあたしの第六感が危険信号を出している


これはさすがにまずい気がする


「まぁ~でも?そっちのほうがロマンあっていいと思うんだけど」


「ロマン...ですか」


「そうロマン。ただの男女のお付き合いじゃなくて明らかに差がある二人だろ?そういうのは憧れる」


「ロマンかぁ~。山崎はどう思うん?」


「え?」


急に振られて困惑しているようだ


まぁ~今まで影薄かったもんな


「まぁ~オタクとしてはそういうの憧れます」


「だってよ。明見日さん」


あたしがこの言葉で締めて終わりだ


「そうですか。山崎くんもそういうのに憧れたりするんですね」


「まぁ~そうですね。でもそんなの現実にないですから」


明見日がその話を聞いてだんだん元気になっていく中

加賀城が割って入る


「とりあえず飯注文してええか?」


「あ。」


あたしたちの昼食も冷めている


その冷めた昼食を一気に

おなかにかけ入れる


「高ノ宮さんいい食べっぷりやなぁ~!」


いまだにテンション高い加賀城さん


なんとなく理由はわかるが

二やついている明見日さん


空気と化している山崎


なにこの状況


...てかあたしって何のために来たんだっけ?


もうどうでもいいか


あたしはこの今の状況を楽しむことにする


後悔しないように


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食べ終えてあたしたちは店をでた


加賀城さんと山崎は割り勘


明見日さんはあたしのご飯代を出してくれた


いざこの状況になると気まずいな


「じゃあ俺らは遊んでくるから」


「そうですか。ではまた来週に」


ここで加賀城さんと山崎とはここでお別れ


二人で適当にショッピングモールで

お買い物することとなった


「あ~えっと...お金...」


言う前に明見日さんに遮られる


「大丈夫ですよ。まぁ~今日はいろいろ聞けましたし」


いろいろ?


まぁ~なんか有益なことが聞けたならいいか


...そういえばあの時加賀城さんが来て

聞けなかったが今聞くチャンスでは?


「あ~明見日さん?」


「?どうしたんですか」


「単刀直入に言うわ」


「え?あ、はい」


「山崎の事好きか?」

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