第22話 お返し

明見日side


さっきからうるさいハエですね


たしか宮島?と言いましたっけ

あまりにもうるさいので覚えてしまいましたよ


せっかく今日はなぜか山崎くんが遅いので

椅子にこびりついてる山崎くんのエキスを堪能した後に

私のエキスを付けたっていうのに


「で?高ノ宮さんんか答えてよ」


こいつせっかく私のエキスがついた山崎くんの椅子に

座りやがりましたね


しかしこれはどうしたものですかね


私は知っている


そう教室のドアの前に山崎くんが困った表情で

こちらを見ているのを


この宮島とかいうハエは私や高ノ宮さんに飽きたらず

私の愛しの山崎くんのまで迷惑をかけるということですね


これがどれだけ重たい罪かわかっているんでしょうか


「真剣な顔してどうしたの?明見日さん?まさか俺と交換する気になってくれた?」


「...いえ」


「...さっきからこっとが黙って聞いてれば調子に乗ってるんじゃね~ぞこのあま


「?」


宮島は椅子から立ち上がり

明見日の手を強く掴む


はぁ~

次は力づくですか...


なるべく山崎くんの前で

そういったことはやめてほしいんですけど


私がここで彼を潰してしまえば(いろんな意味で)山崎くんに

幻滅されるかもしれませんし


彼が提示している条件

ラーミンを交換してしまえば軽い女だと思われる

そうしたら山崎くんに幻滅される


困ったものですね


周りの男子や女子は一向に助けようとはしてくれませんし


...どうすれば


「しかし明見日さんって顔良いんだし、俺の彼女にならない?」


「え?」


彼女?

こいつはふざけているのでしょうか


私は生涯山崎くんしか見ないって決めてるんです

こんな顔しかみてないようなゲス野郎とは絶対に付き合えません


と言えたらいいのですけど


宮島は掴んだ手を自分のほうへ引っ張り

抱きしめようとする


それに抵抗するような形で

手を振るほどこうとする


「俺の彼女なんだし、抱きしめてもよくない?」


「私はあなたの彼女になった覚えはありません。お引き取りください」


こいつがいるせいで

山崎くんとまだおはようも交わせてないです


非常に不愉快です


時間はまだ8時10分


こういうときに便利な加賀城さんはまだ来ない


仕方ないので8時30分まで耐えるし


「あ、あのすみません」

教室のドアのほうから声が聞こえた


まさか...この声は


「そ、そこ僕の席なんで...あ、あの...えっと...どいてもらっても...」


や、山崎くん!


好きです!大好きです!愛しています!


こんな時に助けてくれる山崎くんは...


言葉にできないくらい好きです


「あ?今取り込み中だから」


「で、でもそこ僕の席なんで」


「うるせ~な!じゃあ立っとけよ」


「で、でもそういうわけにもいきませんし」


「あ~もういいちょっと黙れ」


そういうと宮島は立ち上がり明見日と高ノ宮の方に向く


「いまからさ~ちょっとかっこいいところみせるから見といて!」


まさかこいつ山崎くんに...


もしどこかの体の部位に傷をつけた途端

あなたを消さなくてはなりませんね


「じゃあ行ってくるね!」


そういうと山崎のほうに歩きだす


「ちょっと待てよ」


宮島を止めたのは高ノ宮であった


「どうしたの?高ノ宮さん?まさかもう俺に惚れちゃった?」


「...まぁ~たしかに惚れたかもな」


高ノ宮さん

まさかあなたがここまで面食いだとは


高ノ宮さんも消すのは惜しいですが

ここはやるしか...


「お前のそのばかみたいな考えに惚れたよ」


「え⁉そうなの!じゃあさ~付き合う?」


「そうだな~じゃあ付き合ってやるよ」


「じゃあ誓いのキスを...」


そのっ言葉を発した途端

宮島は山崎がいる方とは逆の方に

飛ばされていた


「「「「「「「「「「「「「  え?  」」」」」」」」」」」」」」」」」


クラスの一同はその光景に困惑していた


なぜなら宮島がキス待ちをしているとき

宮島の顔を高ノ宮が殴ったからだ


その光景に私も目を疑いました


なぜ高ノ宮さんが宮島さんを?


これから付き合う人の顔を殴る?


この状況がよくわかりません


そんな時

ノー天気な鼻声が教室に近づいてくる


「おはよう!...ってこれどういう状況や」


「高ノ宮さんが宮島さんを殴った?でよろしいのでしょうか」


「え?」


加賀城は現場を見て

納得してくれたようだ


「高ノ宮さん⁉なにがどうなってるんや!」


「別にあたしの恩人に手を出そうとしたからのしただけ」


「恩人?」


そういうと加賀城は黙る山崎の方をみて何か納得したようで


「あ~よく理解したわ。高ノ宮さん!ほんまありがとうな!」


加賀城は高ノ宮の方に行き

手をぎゅっと握る


相変わらずこの人はいろんな人に馴れ馴れしいですね


この人は顔だけはいいですから高ノ宮さんも...


高ノ宮の方を見てみるがどちらかといえば嫌そうな顔をしている


高ノ宮さんは加賀城さんの事が好きははずでは...


これは山崎くんに悪い虫がつかないように

探る必要がありますね


明見日はそう決めた


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朱華ナツメです(。・∀・)ノ

次回は引き続き明見日sideか高ノ宮sideで迷っています


sideストーリー続きでごめんね?


今回は明見日の

山崎好き好き路線とは違い

どちらかといえば高ノ宮メインという感じになってしまいました


高ノ宮さんは喧嘩っぱやいので

やっぱおとなしくするより

こっちの方が向いてます






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