第8話 高ノ宮の学園生活

加賀城事件があった後

高ノ宮はその容姿から一躍有名となった


そこへ先生が入ってくる


「皆席につけよーー」


だが聞いている様子はない


「おいお前ら聞いてるのかー」


返事はない


「お前らいいかげっ!」


高ノ宮を見た途端

先生の言葉が聞こえなくなる


「お...お前...誰だ?」


いや先生がお前って

分からなくもないけど


「高ノ宮ですけど」


先生の口があんぐりと空く


「お...おま...お前た...高ノ宮なの...か?」


高ノ宮は若干強めの口調で言う


「そうですけど」


先生は突然涙目になる


「よかったよかった。これで全員で思い出がつくれるなぁ~」


こいつはなにを言ってるのかわからない


ただ高ノ宮が来たことで

喜んでいるのは間違いないだろう


これも俺のおかげかな(キリッ


「と...とりあえず全員いるし出席確認はなしだ」


なしってそれはまずいだろうよ

先生


「今が8時45分だから9時まで自由時間だ」


次の授業は9時10分だから9時まで自由時間だ


「じゃあ先生は職員室に戻るから後よろしく」


そう言って先生は教室を後にした


その瞬間皆がまた

高ノ宮の周りに群がる


モブA「た、高ノ宮さんって言うんですよね!俺藤崎です!よろしく」


モブB「俺西城です!お近づきの印にアドレス交換しませんか!」


うるさいし、今の時代にアドレスって

今はラー〇ンだろ


その群れから逃げるようにして

教室を出る


あいつら食べかけのポテトチップスに這いよるGかよ


廊下の窓を開け外の空気を吸う


「まったく高ノ宮さんは人気ですね」


突然話しかけられる


「この声は明見日だろ」


「正解ですよ。山崎くん。隣、失礼しますね」


明見日が入れるくらいのスペースを作る


「山崎くん。質問いいですか」


明見日が質問とは珍しいな

だいたい何かを悟って

サポートしてくれるのに


「その~...」


明見日がこちらの目を見る


「高ノ宮さんとはどこであったのですか」


??


なんだその質問

別に聞く必要もないだろうに


「学校に行く途中で迷ってったぽいから道を教えたあげただけだよ」


俺はとっさに嘘をつく


正直ばれないだろうと思っていた


だが、俺は明見日の目を甘く見すぎたのかもしれない


「それ、嘘ですよね」


明見日はニコッと笑う


「どうなんですか」


ずっとニコニコしているが

雰囲気は重たい


これは正直に言うしかないか


いやでも言ったら

絶対明見日に気持ち悪がられる


この関係を壊したくない


もう二度と誰とも


「俺が明見日に嘘をつくことなんてあるか?明見日は俺がそんなに嘘をつく外道の人間に見えるのか?」


俺は外道である


そう

まさに外道!


明見日は困った表情を見せる


そしてなにかボソボソと喋っている


よく聞こえない


そしてようやく明見日が我に返る


「わ、私は山崎くんの事疑ったりしていませんよ?本当ですよ?絶対ですよ?嘘じゃありませんよ?」


明見日の圧が強い


「わ、分かったからそんなに俺を信頼してくれてるなんて俺うれしいな」


その言葉を口に出したとたん

俺も我に返り

キモいことを言ったことに気づく


あ。

俺終わったな


「あ...ごめん。きもかったよね?なんか舞い上がっちゃって」


明見日はなぜか口がにやけている


...そんなにきもかったんだな


「い...いえ...全然気にしてませんよ?うんほんと」


あ。

これ気にしてるな


まじで引かれるやつじゃん


終わったな

俺。


「ちょっと私お手洗いにいってきますね」


それを言い残し明見日は

猛ダッシュでトイレへ向かう


俺は何も言えなかった


まず女子がお手洗いに行くと発言する

くらい焦っていたこと


そして

あいつの顔がどこか

我慢している顔だったのを


はぁ~憂鬱だ


どうせいまから俺のキモ発言で

吐くんだろうな


そこまでだったか


俺はそこまで明見日に嫌われていたのか


明見日は俺が幼馴染だから

関わってくれていたのだろうな


なんか...もう...涙もでないや


きっとこれからキモ発言したことが

明見日によって広まり


俺は学校を追い出され

外にも出れず


家の中で

そのまま...


考えたくねーよ

そんなの!!


あ~どうしよ

今55分だし


まだ高ノ宮の周りには人いて座れないし


ここにいたら、まるで明見日を待ってたみたいじゃないか


キモすぎるだろ


とりあえず...

外の空気吸って

心を落ち着かせて

今後の事考えるか


俺は肺が限界というまで空気を吸い

吐く作業を繰り返した




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


朱華ナツメです(^▽^)/


次は明見日sideです


まぁ~明見日の性格からして

だいたい想像つくよね?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る