第2話 今日も山崎蒼は間違える。

???

なぜこんなとこに女性が横になってるんだ?

てかよく見たらめっっっちゃ美人じゃないか。

髪は....銀色かこれ


そう思うとおもむろにカバンに入っているスマホを取り出しカメラアプリを開く


....いかんいかんつい写真を撮りそうになった。

一般高校生から犯罪者になるとこであった。


とりあえず起こしてみるか。


そう思いその女性の体に触れようとした瞬間....


「んぅ~~~~~」


そして目を開ける


「ふわぁ~~~~~~」


大きなあくびをする。

そして今の状況がわかってないという感じに周りをキョロキョロとし始める。

そしてこちらにきずくと何かを察したかのようにこちらをにらみつける


「あんた誰だよ」


なにこの子怖いんだけどー

こっちは親切に起こそうとしただけなのに


「聞こえてんのか!!おい!!」


なぜ今俺は怒鳴られているのだろう


「てめぇ~まさか私の体になんかしたのか」


いやなんもやってないんですけどー

いまやろうとし....じゃなくて何回も言うけど起こそうとしただけなんですー


「ってよく見たらあたしと同じ制服じゃねーか」


そういわれると自分はとっさに相手の胸についてある校章を見る


「同じですね」


「同じですねじゃねーんだよ‼」


やっぱりこの人変な人だ

帰ろう


そう思い体を90度回転させ、少し遠い公園の出入り口に行こうと瞬間

手を掴まれる


「てめぇ~どこ行こうとしてんだよ」


頭にはてなマークをだす


「あたしの体を....」


なんだあたしの体を?


「あたしの....あたしの体を触ったんだろ~!!」


は?

この女は何を言ってるんだ?


「てめぇ~とぼけずらしてんじゃねーぞ!!」


そう言うと俺の腹に見えない速度の蹴りを入れる。


俺は状況が判断できないまま腹を抑えその場に座り込む

なぜこの女は俺に蹴りをいれたんだ?

意味が分からない。


とりあえず誤解は解かないといけない

そう思い苦しい腹に力を入れ言葉を放つ


「俺は....何もっ....してないぞ....」


「はぁ~?そんな嘘とおるとでもおもってんのか?」


なぜ本当の事なのに信じてもらえないのだろうか


そういえば中学3年の頃、クラスにかわいい女の子がいた。

皆からちやほやされ、人生勝ち組みたいな感じだった


その子が隣の席だった俺は周りからいろいろなことをいわれた

別に気にしてはいなかった。

隣だからどうというわけでもないし

特に会話することはなかった

なぜなら俺は女子に興味はなかったからだ


そんなある日事件が起きた。

その隣の席の女子のペンが一本消えたのだ

当然疑われて、中には俺に暴力も振るうやつがいた。

その隣の席の女子も俺に気持ち悪いという目を向けてきた


だが俺は反論しなかった

盗んでいないのに。

それはなぜか....

理由は誰も盗んでなんかいないからだ


なぜ知っているのか

それは横目で見ていたからだ

その女が遊んでペンを壊していた

それをまずいとおもい、そのペンをカバンの奥にしまい

言い訳するために盗まれたということにしたわけだ


俺はそれをひどく哀れんだ

なぜ人になすりつけるのだろう

そんなことをしても事実は変わらないのに


でもどうせ俺が弁解の余地を与えてもらえるとは思わない。

そうしようとしても何も変わらない


そして自分は見た

見てしまった

その女が皆から責められる俺を見て


       笑ったのを


その日から俺は女子、とくに女子の顔がいい人が嫌いになった

この世界はだいたいが顔で決まる

もしくは天才という者たちというもの達がこの世界のトップに立てる

そして自分はもう一度思う


俺が今待ち受けている現状や過去の出来事

努力しても無駄なことばかりで

こんな....こんな世界は...


     『間違っている』


「てめぇ~さっきから何言ってんだよ!!」


そうだった俺は今、何もしてないのに腹パンされ

酷い仕打ちにあっているのだった


自分の世界に入りがちな俺の性格にはあきれる

俺はよく『嫌いだ』という言葉を使ってしまう

自分がネガティブ思考なのはわかっている。


それでもおかしくないか?

俺はいつもこうなる。


「また....こうなるのか」


そして次は右ストレートが顔面に飛んでくるかと思っていた

どうせまたこうなるのだとあきらめていた

もう....どうでも....


「あのさぁ~さっきからあたしの話ちゃんと聞いてんのか」


俺が予想していなかった言葉がこの女からでる


「まぁ~あたしも別にあんたがなんかやったとは思っていないし?」


こいついかれてんのか?

俺を散々、ボコっておいて


「まぁ~ あの...ごめんな?」


こいつ本当は優しいのか?

と少しだけ頭によぎった


「いえ....べつっ....に....だ、大丈夫....です」


俺も内面はすごく怖い。

こんなきれいな女の人からとてつもないスピードの蹴りをくらったのだ

すこし怖がりながら返事をする。


「でも本当にあたしに何もしてないんだよなぁ~?」


こっちをにらみつけながらいう


「ひぃぃ~!! な...何にもしてないですよ!! 本当です!! ただなんでこんなとこで寝ているのかなとおもいまして!!」


俺はビビりながら言う

さっきの蹴りの痛みも忘れてとっさに立ち上がろうとする


「だから....あれ? おかしいな? 体が重く....」


そして俺はその場に倒れこんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る