第6話無敵艦隊を撃ち破る

日露戦争、日本海海戦の日本連合艦隊参謀秋山真之は、敵の進路を絶ち、前面からの集中攻撃の計画を立てた。

後に東郷ターンと言われる作戦だ。


明治38年5月27日午前4時45分、五島列島沖で敵艦、バルチック艦隊を確認する。

世界最強の、無敵艦隊である。


敵艦を発見した、秋山は直ぐに日本の大本営に電報を打つ。


「本日天気晴朗ナレドモ波高シ」


これは、波が3メートル以上だと水雷艇が使えない苦悩の意味が込められている。


距離1万メートルまで近付く。


まだ、日本連合艦隊司令長官東郷平八郎の合図はない。

距離8000メートルで東郷の右手が上がる。

東郷ターンの始まりである。

5月27日午後3時20分。

並走した艦隊は敵艦隊の前を遮るように、Tの字になり、先頭の敵艦に集中砲火する。


敵艦隊の3番目がUターンした。

それを、追撃するため日本艦隊もUターンしたが、さらに、敵艦隊はまたUターンした。


Uターンを完了した日本艦隊の第一艦隊は直ぐには追撃出来ない。

そこで、日本の第二艦隊の上村彦之丞は独断で敵艦隊を遮り再び戦闘艦に集中砲火。


ここで、日本艦隊は大勝利を得た。

後に、秋山は語る。


「この成果を見るに及んで、ただ感激の極み。言う事を知らざるの者の如し」


これが、バルチック艦隊を破った話である。

もちろん、大砲の白色煙と黒色煙など装備に関しても違いがあったのだが、日本の艦隊の連携プレーが勝利を呼んだのは言わずもがなである。

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