第16話 温かな感覚

葉月夜子は水無月歩夢と出会い

不思議な魅力を感じていた


どこか壁を感じるのに

つい目を奪われてしまう


夜子は

もっとこの人の事を知りたいと思っていた

恋なのか興味なのか

あゆむに惹かれていた



葉月夜子は高校の時は殆ど

親友だった文月菜々と2人で居る事が多かった


皆が振り返る美しさと全てを持つ

綺麗で清らかな菜々の隣りで

私は優越感と劣等感に苛まれて

高校生活を過ごした


いつも1番であり続ける菜々

夜子は菜々を妬み憧れていた


菜々は今アメリカに居る


「夜子、わたし結婚するかも」

「ええっ?!」


卒業して数ヶ月経った頃

予想もつかない電話が来た


菜々の世界はいつも刺激的で

ドラマのような事ばかりで

平凡な夜子を驚かせた


外せない用事があるからと

見送りには行かなかった


夜子はもう

菜々の世界の脇役になるのは嫌だった



夜子はその後

また二宮とあゆむの母の店を訪れた


まるで昔からここに居たような

居心地の良さ


夜子はすっかりこの店を好きになった

あゆむの母も夜子をとても気に入っていた


夜子は初めて母という存在の

温かな感覚を味わった


次第に、店が終わるとあゆむの店に寄るのが

夜子の習慣になっていった




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