第11話 黒縁メガネ

菜々は夢のように

アメリカに飛び立った


出発の日、僕は

菜々と旦那さんを遠くから見守った


菜々は沢山の友人や家族に見守られながら

旦那さんに寄り添うようにしてそこに居た


遠くから見ていた僕に気がつくと

少しだけ微笑んで、すぐに目を逸らし

これから乗り込む人達の波に吸い込まれて行った


僕は黒縁メガネを外して

目を擦りまたメガネをかけた


「近いのも困るけど遠すぎるのも困るな」


黒縁メガネの村人Aは日常に戻る

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