第10話 普通では無い
なかなか動かない二宮様御一行を
なんとか店に引き連れて帰り
夜子はひと仕事を終えた
店に着くと
二宮の席にはママがべったりとくっ付いて
わあわあと騒がしく
盛り上がっているようだった
夜子はカウンター奥の厨房に行き
椅子に座ってふぅっとため息をついて
チーフが作っているフルーツをつまみ食いした
「こらー夜子ちゃん太るぞ」
「いいもん」
「二宮さん長かったねー」
「そー!もーなかなか動かないの」
チーフは20代半ばの嫁有り
女の子のご機嫌の扱いが上手だ
ママの家来であり
女の子達の執事もこなす
いつかキレて辞めそうな気がする
ちなみにイケメンでは無い
「夜子ちゃん指名多いから、二宮さんに長く拘束されると困るよ」
「もうママがくっついてるみたいだから大丈夫」
夜子がそう言うと
ママのガハハハという
豪快な笑い声が聞こえて来て
2人で吹き出した
「休憩終わったら8番の清水さんがずっと夜子ちゃん待ってたから、行ってあげて」
「はいな」
夜子はメイクを軽く直して厨房を出た
二宮は腕に絡みついてしゃべりまくるママに
観念したような顔をして
ぐったりとしていた
通り過ぎる夜子にすがる様な目をしてきたので
夜子は微笑み、小さく手を振って
8番テーブルに向かった
「清水さんお久しぶりです」
夜子がしなやかに挨拶をすると
瞬時にその場が華やかになった
「夜子ちゃん待ってたよー」
周囲からは見えにくい作りになっている
そのテーブルには
清水さんとそのお友達と…
普通では無い何か
夜子の心臓が止まりそうになった
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