第7話 違和感の男

その違和感の男は同じ会社の社員3人と一緒に

店に入ってきた


僕は緊張しながらおしぼり出し

グラスとアイスを準備する


見た目は普通の若い社員


白いワンピースの人もそうだったが

極度の無表情のような

感情が無いような

何を考えているか分からない


目が合うと突然襲ってきそうな

そんな恐怖感がある


母とワイワイ話すその客たち

違和感の男も冗談話に笑ったりもするが

それすら恐ろしく感じる


他の人達には

ちょっと控えめな人くらいにしか

見えてないんだな


頭の中でイメージするだけでタグは付与される


やって…みるか…?

僕は少し下を向いて

目を閉じ静かに深呼吸して


頭の中でその違和感に

「他の惑星」のタグを

そっとゆっくり貼るイメージをした


顔を上げてそっと目を開くと


僕の目と鼻の先に

違和感の男の怒り狂った顔が迫っていた


僕は「うわああああ」と叫び

後ろにひっくり返った


「どうしたの!?」

「な、なんだ…?」


母と客が驚いた顔でこちらを見た


違和感の男は消えていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る