第4話 タグ

葉月夜子は

ファーストフードのアルバイトを終えると

暗い夜道を自転車で走った


大きな橋を渡り

川沿いを下り

我が家へ帰った


夜子の母は仕事ばかりで

あまり家には居なかった

暗い部屋の明かりをつけて

見ないテレビをつけてから

シャワーを浴びた


明日の予定を確認して

目覚ましをセットして

夜子は眠りについた


寝返りをうつと

夜子はぐるりと回転するような感覚に見舞われ

慌てて目を開けた


夢のような現実のような

真っ暗な空間に夜子は居た


「…」

体も動かないし声も出なかった

鼓動が早まる


「カテゴライズの説明をするね」


突然響くその声に

鼓動がより早まった

夜子は目を閉じたり少し開けたり

ジタバタしてみようとしたりしたが

1ミリも動けなかった


「大丈夫よ、私の名前はニュー」


夜子は勇気を振り絞って目を開けた


さっきまで真っ暗だったのに

目の前に巨大なマシュマロのような

とてつもない大きなものが現れた


顔には丸い目だけが2つついていて

夜子をじっと見つめている


「あなたは適正テストにより選ばれた」


ニューと名乗るそのマシュマロの巨人は

夜子に語りかけた


「あなたの使命は人類をカテゴライズする事」


「あなたは今日、人では無い何かに出会った」

「その人は人類では無く別の惑星の種族」

「あなたはそれを感じとる能力がある」


「あなたはそれらに3種類のタグを付与する事が出来る」

「1つ目は、他の惑星の種族」

「2つ目は、この星の人工の人類」

「3つ目は、この星の本来の人類」


「この星の人類を一定数カテゴライズすると

この神のゲームはクリアされて

あなたは全てを忘れるわ」


「ちなみに選ばれたあなた達は本来の人類、

タグは頭の中でイメージするだけで付与されるわ」


「私は常にあなたを見守っているから安心してね」


葉月夜子の記憶はそこまでだった

目を覚ますと

いつもの部屋のベッドの中

いつもの朝日がさしていた


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