【詩】星屑の欠片

菊池昭仁

星屑の欠片

 「星屑の#欠片__かけら__#をどうぞ」 


 僕は金平糖を一粒 君の柔らかな#掌__てのひら__#にそっと載せた


 「ホントだ」と君はアイリスが綻ぶように笑った


 そんな君に僕は恋をした



 スーパーに並んだシャインマスカットを見て


 「もう秋なのね?」と君は呟く


 僕はそんな君の瞳の色で秋を知る



     「さようなら」



 消えゆく恋 それもまた恋


 ひらひらと落ちてゆく 枯葉のように


 ゆらゆらと 僕の恋も落ちてゆく



 星の数ほどもいる女の中から 僕は君を見つけた


 金平糖のように煌めく 甘い愛の欠片を拾い集め


 僕は君への愛を辿り 深い森の中へと迷い込んでゆく


 願い事を唱える間もなく 流れ星は流れて消えた 


 儚くも美しく消えた 星屑の欠片



 僕の恋も儚く消えた


 そしてまたひとつ 神話が生まれ


 一筋の輝く流星となって消えた



 恋とは儚く切ないもの なぜ人は恋に落ちるのだろう?


 僕は全身に星屑を浴びて 秋に埋もれてゆく


 明日 生まれ変わる日のために


 



      


    

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【詩】星屑の欠片 菊池昭仁 @landfall0810

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