凍った破局

 ある男は勝ちなき戦へ好みがわかない。

 迷宮前とし後ろある逃げ道を思わないとは、人の思慮ではない。ゆえ男は常に約束よか、損得が始末をつける生活であった。約束なら、逃げ道を奪う。益こそ手当たり次第選び、やがて単調に長く果てしないのだけ経路とし残る。

 あるとき、こんな男ながら、眉目秀でたゆえ女と付き合う。女こそ悪いものでなく、よく咲いて蝶を待つといった人物であった。男は得意であった。

 しかし女が、グラスなか在る氷らを指につつき、その凍土を崩した。そして男へ護謨毬の跳ねるよな笑みあと聞く。

「ねぇ、もしいまから私のあなたを嫌いであったら、あなたはどういった藪うち雲隠れするの」

 男は、配慮、如才なくやった自尊がある。

 考えるべき道でないとし、氷を自身口にてひんやり溶かした。

 すれば女まるで待った蝶を食うような狡猾からにんまり咲き返る。

「そんな過程ついて、つまらないほど、私はあなたの逃げ足を見たい好奇があって、今でも私身内で熟しているの」

 男が、グラスなかの氷よに不意で歪む。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る